[ワシントン 18日 ロイター] - 米商務省が18日に発表した4月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比0.2%減の172万4000戸となった。微減にとどまったものの、着工件数の将来の動向を占う上で重要な許可件数が5カ月ぶり低水準となったことで、住宅ローン金利が上昇する中、市場が減速しつつあることが示唆された。
3月の住宅着工件数は172万8000戸と、従来の179万3000戸から下方改定。ロイターがまとめた4月のエコノミスト予想は176万5000戸だった。
一戸建て住宅の着工件数は7.3%減の110万戸と、2021年10月以来の低水準。地域別では北東部、中西部、南部で減少したが、西部では増加した。一方、賃貸住宅需要の増加を反映し、5戸以上の集合住宅の着工件数は16.8%増の61万2000戸。
住宅建設許可件数は前月比3.2%減の181万9000戸と、21年11月以来の低水準。
一戸建て住宅の許可件数は全4地域で減少し、4.6%減の111万戸と、21年10月以来の低水準を付けた。5戸以上の集合住宅の許可件数は0.6%減の65万6000戸。
着工件数の減少は2カ月連続。ただ、着工が許可されながらも未着工の物件は0.7%増の28万8000戸と、過去最高を記録。着工件数の減少の影響は軽微である可能性も示唆された。
ブリーン・キャピタル(ニューヨーク)のシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクワドロス氏は「住宅ローン金利が急上昇する中、供給網の制約が着工の遅れにつながっており、こうした要素のはざまで住宅建設は過渡期に入っているように見える」と述べた。
全米住宅建設業者協会(NAHB)が17日に発表した5月の全米住宅建設業者協会(NAHB)/ウェルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は69と、前月の77から低下し、2020年6月以来の低水準を付けた。
5月12日までの週の30年固定金利住宅ローンの平均は5.30%と、09年7月以来の高水準。建設業者は、建築資材の価格高騰や住宅ローン金利の急上昇を受け、初回住宅購入者の購入が難しくなっていると指摘している。