[ローマ 14日 ロイター] - イタリアのドラギ首相は14日、マッタレッラ大統領にこの日のうちに辞表を提出すると明らかにした。
イタリア議会はこの日、ドラギ内閣の信任投票を実施し、賛成172、反対39で可決。ただ連立与党のうち主要な左派「五つ星運動」が投票をボイコットしており、連立政権は崩壊のリスクにさらされていた。
ドラギ氏は首相府を通して発表した声明で「今夕に大統領に辞表を提出する」とし、「政権を支えてきた国民的な統合連立はもはや存在しない」と述べた。
議会での投票後、ドラギ首相は大統領官邸のクイリナーレ宮殿を訪れ、マッタレッラ大統領と約1時間ほど会談。ドラギ氏は会談内容について明らかにせずに大統領官邸を出ていた。
その後、大統領府は声明で、マッタレッラ大統領はドラギ首相の辞表を受理せず、政局を明確に把握するために議会で演説するよう求めたと発表した。
連立与党を構成する他の政党は、五つ星運動が連立政権から離脱すれば総選挙実施が必要との考えを示しており、9月か10月にも総選挙が実施される可能性がある。
ドラギ政権崩壊の懸念から、この日の取引でイタリア国債利回りが急上昇していた。