[東京 28日 ロイター] - 磯崎仁彦官房副長官は28日午後の会見で、ロシア国防省が極東地区で軍事演習を実施すると発表したことに関連して、外交ルートを通じて抗議し、演習の実施地域から北方領土を除外するようロシア側に申し入れたことを明らかにした。
北方領土(北方四島、ロシア名クリル諸島)は、日本が領有権を主張し、ロシアが実効支配している。
磯崎副長官は、政府が27日に北方領土における軍事演習は到底受け入れられないことをロシア側に伝え、演習の実施地域から除外するよう強く求めた、と語った。ロシアのウクライナ侵略が続く中、日本周辺でロシア軍が活動を活発化していることへの懸念も申し入れたという。
その上で、磯崎副長官は引き続き関連情報を収集して適切に対応していくと語った。
ロシア国防省は、極東地区(東部軍管区)で8月30日から9月5日にかけて戦略軍事演習「ボストーク」を実施すると発表した。演習が実施される地域にはシベリアの一部のほか、中国との国境に近いハバロフスクなどが含まれる。
磯崎副長官は、全国的に新型コロナウイルスの感染が急拡大してきているが、政府の方針として「現時点で行動制限を課すことは考えていない」と述べた。その上で、現在進行形で問題化している発熱外来の混雑などに適切に対応していく考えを示した。
(杉山健太郎)