[18日 ロイター] - スリランカ中央銀行は18日、市場の大方の予想通り、主要政策金利を据え置いた。過去の利上げの効果が経済に行き渡るのを待ちたい考えで、国際的な資源価格の下落も国内のインフレ抑制に寄与すると見込んでいる。
常設貸出金利を15.50%に、常設預金金利は14.50%に据え置いた。
同国は経済危機に見舞われており、インフレ率は7月に前年比60.8%に加速し、食品価格の上昇率は90.9%に達した。中銀は年初から計950ベーシスポイント(bp)の記録的利上げを行っている。
中銀は、最新の予測モデルでは経済活動が従来の想定より大幅に収縮し、物価上昇圧力が早期に和らぐとの見通しが示されているため、金利据え置きの決定に至ったと説明した。
主に電力やエネルギーの不足による供給面の混乱の影響と、社会政治情勢を巡る不透明感が第2・四半期の経済成長に重大な悪影響を与えたとみられるとした。
経済危機による抗議デモの激化で7月にラジャパクサ大統領(当時)が政権の座を追われ、ウィクラマシンハ氏が大統領に就任した。
アジア証券のラクシュニ・フェルナンド氏は、年間で7.5─9%のマイナス成長になるという予測は変えていないとし、「6月と7月の政治情勢の緊迫化と燃料不足を踏まえると第2・四半期が最も大きく落ち込む可能性が高い」と分析した。