[ロンドン 24日 ロイター] - 24日の英国市場では、スナク元財務相が次期首相に就任する見通しとなったことを好感する動きが見られた。
英10年国債 の利回りは30ベーシスポイント(bp)低下し3.75%となった。
ポンドは、先月の「ミニ予算」発表を受けて一時1.0327ドルの過去最低値を記録したが、急激に回復。この日は1.1283ドル前後で取引されている。ポンドは今年、ドルに対して17%、ユーロに対して4%値を下げている。
一方、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスが発表したデータによると、英国債の5年物ソブリン・クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、21日終値の35bpから30bpに低下。「ミニ予算」以降で最低の水準となった。
UBSウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ポール・ドノバン氏は「信頼性リスクはゼロではない」と指摘。ここ1カ月の市場の乱高下は、スナク氏には大胆な選択をする余地がほとんどないことを意味するとし「市場の反応に柔軟に対応することが良い場合もあるだろうが、次期首相にそれがあるとは思えない」とした。
また複数のアナリストが、投資家が英国への信認を回復するには、政府にはまだ多くが求められるとの見方を示している。
パリに本社を置く資産運用会社カルミニャックの債券アナリスト、マイケル・ミケリデス氏は「数カ月前の状態にすぐに戻ることはできない」とした上で、増税と現実的な歳出抑制を組み合わせる必要があると指摘。燃料価格の支援や減税を維持する場合は、短期間の時限措置となる財源を示す必要があるとの認識を示した。