[ウェリントン 5日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は5日、政策金利のオフィシャル・キャッシュレート(OCR)を50ベーシスポイント(bp)引き上げ、5.25%とした。インフレ率が依然高すぎで根強いと指摘し、追加利上げの可能性を示唆した。
利上げ幅は市場予想を上回った。ロイター調査ではエコノミスト24人のうち22人が25bpの利上げを予想していた。
2021年10月の引き締め開始以降、利上げは11会合連続。政策金利は14年余ぶりの高水準となった。
中銀のタカ派姿勢を受けて多くのエコノミストが予想を修正。政策金利のピークは5.5%と予測されている。21年10月以降の利上げ幅は500bpとなり、1999年にOCRが導入されて以来、最も積極的な引き締め局面になっている。
予想より大幅な利上げを受け、NZドル/米ドルは1%上昇し0.6383米ドルと2カ月ぶり高値を付けた。2年物スワップは15bp上昇し5.11%。
中銀は2月に50bp利上げした際、4月も同じ幅で利上げすると示唆した。だが景気の先行き不透明感が強まったことからエコノミストは利上げペースの鈍化を予想していた。
中銀は声明で、すでに示唆していたが、インフレ率を中期的に目標レンジの1─3%に戻すために政策金利を引き上げる必要があるとの見解で政策委員会が一致したと説明した。
2022年第4・四半期に経済活動が予想を下回り、供給能力への圧力が和らぐ兆候も出たが、需要は引き続き供給能力を大幅に上回っていると指摘し、雇用についても「最大限の持続可能な水準を超えている」とした。
一方で、内需の減速が続き、コアインフレとインフレ率が軟化すると予想され、この軟化度合いが今後の金融政策の方向性を決定することになると指摘した。
1月、2月の気象災害は一部のモノやサービスの価格上昇を招いたが、復興の取り組みが経済活動を支援すると見込むとした。
キャピタル・エコノミクスは、中銀の引き締めバイアスでNZが年内に長期的な景気後退に陥るという見方が強まったと指摘。「景気低迷は急速なディスインフレを引き起こす可能性があるため、年内利下げの可能性もあるとなお考えている」と述べた。