[24日 ロイター] -
<為替> 米ワイオミング州で開催される経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でのパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の講演を25日に控える中、ドルが上昇した。
エクイティ・キャピタルの首席マクロエコノミスト、スチュアート・コール氏は、ジャクソンホール会議を控えたポジション再調整がドル高の要因と指摘。「パウエル議長の発言内容は誰にもわからない。そのためデフォルトの通貨である米ドルに資金が流入している」と述べた。
米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は24日、FRBが年内に追加利上げを実施する必要があるとは想定していないという認識を示した。ただ、FRBがいつ利下げに着手できるかを予測する準備は出来ていないとした。
また米ボストン地区連銀のコリンズ総裁も24日、FRBが利上げを一時的に停止し、安定的に維持できる状況にある可能性があると述べた。
米労働省が24日発表した8月19日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は23万件と前週から1万件減少した。減少は2週連続。ロイターがまとめた市場予想は24万件だった。
ドル指数は0.63%上昇の103.99と6月8日以来の高値を付けた。
また、トルコリラは対ドルで約6%高の25.55リラと約2カ月ぶりの高値に上昇。トルコ中央銀行が24日、政策金利である1週間物レポレートを750ベーシスポイント(bp)引き上げ、25%とした。利上げ幅は市場予想の250bpを上回った。
ポンドは対ドル、対ユーロで下落。対ドルでは1.03%安の1.26085ドルと約2カ月ぶりの安値となった。
日本円は日本当局による介入を巡る観測が引き続き圧力となっている。ドル/円は0.7%上昇した。
<債券> 米債利回りが上昇した。米新規失業保険申請件数がなお力強い労働市場を示唆し、金利先高感につながった。
8月19日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は23万件と前週から1万件減少した。ロイターがまとめた市場予想は24万件だった。
7月の耐久財受注統計によると、設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注は0.1%増加した。
アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、アンソニー・サグリンビーン氏はジャクソンホール会議について「インフレ率を2%の目標に近づけるためにもう少し利上げをする必要があるとパウエル議長が改めて強調する機会になるだろう」と述べた。
米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は24日、FRBが年内に追加利上げを実施する必要があるとは想定していないという認識を示した。ただ、FRBがいつ利下げに着手できるかを予測する準備は出来ていないとした。
10年債利回りは3.3ベーシスポイント(bp)上昇の4.231%。
2年債利回りは6.7bp上昇の5.019%となった。
エバーコアISI(ニューヨーク)のエコノミスト兼ストラテジスト、スタン・シプリー氏は「FRBはいつかの時点で利上げ停止を望んでいるのだろうが、経済成長の軟化などを確認する必要がある」と指摘。「5%を上回る2年債利回りはFRBが利上げを一時停止したとしても、来年に大きく利下げすることはないとの見方を示唆している」と述べた。
30年債利回りは1bp上昇の4.295%。
2・10年債の利回り格差はマイナス78.9bp。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は10年物が2.332%だった。
<株式> 大幅反落して終えた。ナスダックの下落が全体相場安に影響した。ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控え、様子見姿勢が強まった。
前日に好決算を発表した米半導体大手エヌビディアは小幅高で引けた。一時史上最高値を更新した。
S&P総合500種の主要セクターは全て下落、半導体株指数は3.4%下落した。
パウエル議長の講演は25日に予定されている。
ロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は、エヌビディアやハイテク株が注目されているのと同じようにFRBも注目されていると指摘。パウエル議長の発言次第では、売りが優勢になるかもしれないと述べた。
この日発表された直近の新規失業保険申請件数では、労働市場がなお逼迫していることが示された。FRBの引き締めが長期化するとの見方から米国債利回りは上昇した。
個別銘柄ではダラー・ツリーが12.9%安。通年利益予想が市場予想を大幅に下回った。
<金先物> 堅調な雇用情勢を示す経済指標を受け、5営業日ぶりに反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比1.00ドル(0.05%)安の1オンス=1947.10ドルだった。
米労働省が朝方発表した週間新規失業保険申請件数は前週比1万件減の23万件。申請件数は2週連続で改善し、市場予想を下回った。底堅い労働市場の動向を受けて、米長期金利が上昇し、金利を生まない資産となる金の売りにつながった。また、外国為替市場では対ユーロでドル高が進行し、ドル建てで取引される金の割高感につながった。指標発表直後、金先物は一時1939ドル付近まで下落した。
<米原油先物> 対ユーロでのドル高が圧迫要因となったものの、需給引き締まり観測に支えられ小反発した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物は前日清算値(終値に相当)比0.16ドル(0.20%)高の1バレル=79.05ドルだった。11月物は0.07ドル高の78.66ドル。
ドル/円 NY終値 145.87/145.90
始値 145.42
高値 145.95
安値 145.41
ユーロ/ドル NY終値 1.0809/1.0813
始値 1.0853
高値 1.0858
安値 1.0806
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*00.50 4.3031%
前営業日終値 97*10.50 4.2840%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*01.50 4.2411%
前営業日終値 97*12.50 4.1980%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*23.25 4.4145%
前営業日終値 98*30.75 4.3610%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*16.00 5.0229%
前営業日終値 99*20.13 4.9520%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34099.42 -373.56 -1.08
前営業日終値 34472.98
ナスダック総合 13463.97 -257.06 -1.87
前営業日終値 13721.03
S&P総合500種 4376.31 -59.70 -1.35
前営業日終値 4436.01
COMEX金 12月限 1947.1 ‐1.0
前営業日終値 1948.1
COMEX銀 9月限 2423.0 ‐16.2
前営業日終値 2439.2
北海ブレント 10月限 83.36 +0.15
前営業日終値 83.21
米WTI先物 10月限 79.05 +0.16
前営業日終値 78.89
CRB商品指数 275.8327 +0.8527
前営業日終値 274.9800