[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の当局者2人が24日、債券利回りの上昇について、景気を減速させインフレ率を2%の目標に戻すFRBの取り組みを補完する可能性があるとして、慎重ながら歓迎する姿勢を示した。また、追加利上げが必要にならない可能性が十分あることも示唆した。
フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁はCNBCとのインタビューで、最近見られる長期借入コストの上昇は「経済をある程度冷ますのに寄与する」と述べた。その上で、大きな懸念事項ではないが、注視しているとした。
ボストン地区連銀のコリンズ総裁はヤフー・ファイナンスのインタビューで、利回りの上昇は経済と金融政策を巡る全般的な状況と一致していると指摘。長期金利の上昇はFRBの目標達成に寄与するとした。
両総裁は世界の中央銀行総裁や経済学者らが集うシンポジウム(ジャクソンホール会議)の開幕前に個別にインタビューに応じた。
この会議では、パウエルFRB議長が25日に行う経済見通しに関する講演が注目される。
ハーカー、コリンズ両氏は、追加利上げの必要性に否定的な見方を示した。
ハーカー氏は「現時点で、われわれはおそらく十分なことをしたと考える」とし、金融政策が制約的となる中、年内は金利を据え置き、経済にどのような影響を与えるかを見極めることが良策と語った。
コリンズ氏はFRBが利上げを一時的に停止し、安定的に維持できる状況にある可能性があるとの考えを示した。
「確かに追加利上げの可能性はある。ただ、全体的に見て、今は本当に忍耐強く、データが示す展開を先取りしようとしないことが必要だ」と語った。
ハーカー氏はインフレ率が今年4%、来年3%、そして2025年には2%に戻ると想定。失業率は4%かそれ以上に上昇し、成長率は緩やかになるとの見方を示した。