Gwladys Fouche Anna Ringstrom
[オスロ/上海 7日 ロイター] - 世界最大級の投資家であるノルウェーの政府系ファンド(SWF)は7日、中国で唯一の上海事務所を閉鎖すると発表した。中国への投資は継続するという。
ファンドのデータによると、2022年末時点で中国・香港企業850社に約420億ドルを投じているが、投資額は20年の470億ドルをピークに減少している。
同ファンドは以前、直面している最大の地政学リスクとして米中の緊張を挙げていた。
だが7日の発表では、事務所閉鎖は「運営上の判断」と説明。
トロンド・グランデ副最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、「当ファンドの投資に変わりはない。内外の知識や人材を活用して中国に投資しており、今後も続ける」と語った。
シンガポール事務所がアジアの拠点として機能していることも、今回の判断につながったと説明した。
ファンド側は、米中の緊張やサイバーセキュリティー問題が事務所閉鎖の一因となったかどうかとの質問に回答していない。
2007年に開設された上海事務所の従業員は8人。
地政学的な緊張が高まり、規制当局の監視が強化される中、多くの金融機関は中国でのプレゼンスを見直している。