Davide Barbuscia
[ニューヨーク 13日 ロイター] - 13日に発表された米8月消費者物価指数(CPI)の前月比上昇率が1年2カ月ぶりの高い伸びになったが、米有力債券投資家の間では、連邦準備理事会(FRB)の利上げは既に打ち止めになったとの声が出ている。これまでに実施してきた計525ベーシスポイント(bp)の利上げによる本格的な物価抑制効果が間もなく出てくるというのがその理由だ。
フェデラルファンド(FF)先物市場では、19─20日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が据え置かれるとの予想が大勢。一方、11月のFOMCでは追加の25bp利上げが決まる確率が40%あると見込んでいる。
しかしジャナス・ヘンダーソン・インベスターズの米国債券責任者グレッグ・ウィレンスキー氏は「今後数カ月のうちに発表される経済データはFRBの政策変更を促さないだろうから、現在の(引き締め)サイクルにおける最後の利上げはもう目にした公算が大きいと信じている」と述べた。
JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、デービッド・ケリー氏も、8月CPIの発表後に、物価上昇率は来年終盤までにはFRBが目標とする2%に収まりそうだと予想。現在の引き締めサイクルで政策金利は最終地点に達したとの考えを示した。
ケリー氏は「FRBは9月に追加利上げを見送るとの見通しは変わらないし、全般的に見てこのサイクルでさらなる利上げは想定していない」と付け加えた。