[19日 ロイター] -
<為替> ドル指数が小幅に上昇した。米連邦準備理事会(FRB)など一連の中銀による今週の金融政策判断が注視されている。
ドル指数は0.05%高の105.13となった。
ただ序盤にはドルがユーロに対して下押し圧力を受ける場面があった。欧州中央銀行(ECB)の政策当局者が銀行に滞留している数兆ユーロ規模の過剰流動性への対応に関する議論を近く開始したいと考えており、手始めに預金準備率を引き上げる可能性があるとの18日のロイター報道を受けた。
ユーロ/ドルは序盤に一時1.0718ドルまで上昇。終盤は0.1%安の1.06805ドルだった。
CMEのフェドウオッチによると、FRBは今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利を据え置くと見込まれているが、FRBのフォワードガイダンスが注目されている。
スコシアバンク(トロント)のチーフFXストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「FRBはハト派的な発言はしないかもしれないが、現時点で割高に見えるドルをさらに上昇させるには、市場はかなり多くの裏付けとなる証拠を必要とするかもしれない」と述べた。
豪ドル/米ドルは0.31%高。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は19日公表した9月5日の理事会議事要旨で、0.25%ポイントの利上げも検討したが最終的に政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.1%に据え置くことを決めたと明らかにした。
カナダドルは対米ドルで一時6週間ぶりの高値まで上昇。終盤は0.35%高となった。カナダ統計局が19日発表した8月の消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率は4.0%と、前月の3.3%から伸びが加速した。
日本円は対ドルで0.16%安の147.85円。
ポンド/ドルは0.08%高の1.2395ドルと3カ月ぶりの安値付近で推移した。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが1.57%高の2万7191ドルと3週間ぶりの高値に迫った。
<債券> 5年債と10年債の利回りが16年ぶり高水準を付けた。原油先物が10カ月ぶり高値を付けたことを受け、商品(コモディティー)価格の上昇でインフレ圧力が高止まりし、FRBは一段の利上げを実施するか、金利を長期にわたり高水準に維持する可能性があるとの見方が出ている。
5年債利回りは4.522%、10年債利回りは4.367%と、共に2007年以来の高水準を付けた。
2年債利回りは5.111%と、7月6日に付けた07年以来の高水準(5.120%)近辺にとどまっている。2年債と10年債の利回り格差はマイナス75bp。
BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)ので米金利戦略部門責任者、イアン・リンゲン氏は「エネルギー価格の上昇の波及的な影響で、経済のソフトランディング(軟着陸)を試みるFRBの政策運営が複雑化するとの懸念が出ていることで、国債利回りに上方バイアスがかかっている」と述べた。
FRBはこの日から2日間の日程で開始したFOMCで金利を現行水準に据え置くとの見方が大勢。市場ではFRBが発表する最新の金利・経済見通し(ドットチャート)が注目されている。
BMOキャピタルのリンゲン氏は「労働市場の回復力が続く限り、FRBは必要に応じて利上げを継続できるだけでなく、利下げに転じるのをできるだけ先延ばしすることが可能になる」としている。
CMEのフェドウオッチによると、フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、11月のFOMCで利上げが決定される確率が29%であることが織り込まれている。12月までに利上げが実施される確率は40%。
財務省が実施した130億ドルの20年債入札は堅調な需要を集め、応札倍率は2.74倍と、6月以来の高水準だった。 最高落札利回りは4.592%。
<株式> 反落して取引を終えた。FRBが20日まで開催するFOMCを前に、リスクオフ心理が重しとなった。
FOMCでは政策金利を据え置くと予想されており、市場の関心は政策金利見通しやパウエル議長の記者会見に集まる。
シンプリファイ・アセット・マネジメントのチーフストラテジスト、マイケル・グリーン氏は、金利据え置きが織り込まれているが、金融引き締めが長期化するリスクも高まっていると説明。「仮に(FRBが)ドットチャートを修正して2024年の利下げを排除すれば、非常にタカ派的な据え置きと受け止められる」と述べた。
この日発表の経済指標では、ガソリン価格高騰でカナダの8月インフレ率が急上昇したことや、米住宅着工件数が予想以上に落ち込んだことが投資家心理を圧迫した。
ナスダックに新規上場した食品宅配サービス「インスタカート」運営のメープルベアは12.3%高となった。一方、先週上場した半導体設計大手アームは4.9%安。
ウォルト・ディズニーは、パーク事業の設備投資拡大を発表したことが嫌気され、売りが優勢となった。
スターバックスも投資判断引き下げを受けて下落した。
ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターは上昇。全米自動車労組(UAW)は労使交渉に進展がなければ22日に更なるストを発表する計画。
<金先物> FOMCの結果公表を翌20日午後に控え、持ち高調整を中心とした小動きとなった。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比0.30ドル(0.02%)高の1オンス=1953.70ドル。
<米原油先物> 利益確定の売りや、対ユーロでのドル高を背景とした売りが優勢となり、4営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は前日比0.28ドル(0.31%)安の1バレル=91.20ドル。11月物は0.10ドル安の90.48ドル。
サウジアラビアとロシアが今月、自主的削減延長を発表して以降、原油は昨年11月以来約10カ月ぶりの高値を連日で更新していたこともあり、この日はいったん93ドル台まで上昇した後は利益確定の売りに押された。
ただ、米エネルギー情報局(EIA)が20日午前に公表する15日までの1週間の米原油在庫統計で原油、石油製品の在庫取り崩しが見込まれており、相場の下値は限定的だった。ロイターが19日に、ロシア政府が10月1日から全ての石油製品への輸出関税の大幅引き上げを検討中と報じたことも、相場の下支えになったとの見方もあった。
ドル/円 NY終値 147.86/147.87
始値 147.66
高値 147.95
安値 147.63
ユーロ/ドル NY終値 1.0677/1.0681
始値 1.0698
高値 1.0717
安値 1.0677
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 94*31.50 4.4290%
前営業日終値 95*16.50 4.3960%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*03.00 4.3647%
前営業日終値 96*14.50 4.3190%
5年債(指標銘柄) 17時04分 99*12.50 4.5133%
前営業日終値 99*19.75 4.4620%
2年債(指標銘柄) 17時02分 99*26.50 5.0923%
前営業日終値 99*28.13 5.0640%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34517.73 -106.57 -0.31
前営業日終値 34624.30
ナスダック総合 13678.19 -32.05 -0.23
前営業日終値 13710.24
S&P総合500種 4443.95 -9.58 -0.22
前営業日終値 4453.53
COMEX金 12月限 1953.7 +0.3
前営業日終値 1953.4
COMEX銀 12月限 2345.6 ‐4.2
前営業日終値 2349.8
北海ブレント 11月限 94.34 ‐0.09
前営業日終値 94.43
米WTI先物 10月限 91.20 ‐0.28
前営業日終値 91.48
CRB商品指数 290.0014 +0.6242
前営業日終値 289.3772