[6日 ロイター] - ミャンマー国営メディアが6日報じたところによると、同国中央銀行は5日、外貨の交換レートの設定を中止することを決めた。今後は銀行や認可を受けたディーラーに独自の交換レートの設定を認める。
外貨の厳格な管理を一部緩和する異例の措置。
中銀が今回の決定を下した理由は不明。中銀のウェブサイトに政策変更の通知は掲載されておらず、6日朝の段階で中銀のコメントは取れていない。
同国経済は2021年のクーデターの余波で低迷しており、金融当局は外貨の需要を抑制するため、外貨の管理厳格化を目指してきた。闇市場の取引も取り締まっており、今年は法令を順守していない140以上の両替商から免許を剥奪した。
軍事政権下では、管理フロート制から管理統制への移行が進み、企業に外貨の引き渡しや為替取引の報告を求める規制が導入された。
輸出企業は中銀が設定した公定レートでドル建ての利益をチャットに両替することを義務付けられてきた。中銀は8月、チャットへの圧力を緩和するため、国内取引に外貨を使用しないよう各省庁と地方政府に命じた。
世界銀行は6月の報告書で、ミャンマー経済について、安定化の兆しが一部見られつつあるが、投資の低迷で制約を受けており、企業はコストの上昇や原材料・外貨の調達で問題を抱えていると指摘した。