[フランクフルト 22日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)のカルステンス総支配人は22日、世界の主要中央銀行は過去数十年で最も急激な利上げを実施してきたにもかかわらず、経済のソフトランディング(軟着陸)を達成しようとしている可能性があるとの見解を示した。
バーゼルでの講演で「経済活動は驚くほど底堅く推移しており、経済のソフトランディングや少なくともソフトランディングに近いシナリオへの確信が強まっている」と述べた。
「実際にそうなれば、インフレとの闘いは成長率低下や失業率上昇という点で驚くほど小さな犠牲で済んだことになる」と指摘した。
インフレ率は大幅に低下しており、投資家の間では欧米で春に利下げが開始されるとの見方が出ている。
カルステンス氏はインフレが市場予想以上に根強い可能性があるとも述べ、そうした期待をけん制した。
サービス価格が新型コロナウイルス禍前のトレンドを回復した場合、それだけでインフレ率は今後3年間、目標を約1%ポイント上回ると指摘。「インフレ率が目標に戻り、中銀の緩和が可能になれば、経済は長期的な潜在成長率を取り戻す見込みだ」と述べた。