Lucy Craymer
[ウェリントン 24日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)統計局が24日発表した2023年第4・四半期の消費者物価指数(CPI)は前年比4.7%上昇し、市場予想と一致した。目標の1─3%に向け鈍化し続けているが、国内要因のインフレは高止まりしている。
CPI上昇率は第3・四半期の5.6%を下回り、21年年央以来の低水準となった。
前期比では0.5%上昇し、第3・四半期の1.8%から鈍化。ロイター調査のエコノミスト予想と一致した。
NZ準備銀行(中央銀行)は昨年11月、インフレ率が第4・四半期に5.0%に鈍化し、24年下期までに目標レンジ内に低下するとの見通しを示していた。
統計局によると、食品やアルコール、たばこ、住宅、光熱費が前年比のインフレ率を押し上げた。
統計局担当者は「家賃は22年末より4.5%値上がりした。新築建築費の上昇率は3.6%に低下したが、パンデミック前と比較すると41%高くなっている」と指摘した。
エコノミストは非貿易財のインフレ率が5.9%と高止まりしており、中銀の懸念材料になる可能性があると指摘した。
ウエストパックのシニアエコノミスト、サティシュ・ランチョード氏は「インフレ率の国内要素と輸入要素の乖離は、中銀がバランスを取ろうとしている大きな懸念を浮き彫りにしている」と述べた。
また、今回の統計が示したのは低インフレではなくインフレ鈍化だとし、国内インフレは中銀が安心できる水準より依然高いと指摘。「利下げは当面検討されないだろう」と述べた。