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物価目標の確度「少しずつ高まる」発言続く、市場は3月解除意識 円高進行

発行済 2024-03-07 18:17
更新済 2024-03-07 18:18
© Reuters.  3月7日、    日銀の金融政策決定会合が迫る中、植田和男総裁と中川順子審議委員が7日、相次いで物価目標の実現の確度が「引き続き少しずつ高まっている」との認識を示した。写真

Takahiko Wada Shinichi Uchida Kentaro Sugiyama Takaya Yamaguchi

[東京 7日 ロイター] - 日銀の金融政策決定会合が迫る中、植田和男総裁と中川順子審議委員が7日、相次いで物価目標の実現の確度が「引き続き少しずつ高まっている」との認識を示した。18日からの金融政策決定会合でマイナス金利解除に踏み切る可能性が意識され、外為市場は円高に振れ、ドルは1カ月ぶりに147円台に下落した。

島根県金融経済懇談会に出席した中川委員は、企業の賃金設定を巡る姿勢に明確な変化の兆しが見られるなど、経済・物価情勢は2%物価目標の実現に向けて「着実に歩を進めている」と述べた。記者会見では、春季労使交渉(春闘)についても楽観的な見方を示し、賃金から価格への波及に関しては「サービスを含む価格が緩やかながら上昇傾向にある」と指摘した。

ただ、決定会合までは「10日間ある」とし、春闘の状況や日銀によるヒアリングなどを引き続き見ていくと説明。3月会合でのマイナス金利解除を支持するか明言はしなかった。

中川委員の午後の会見と同じ時間帯に参院予算委員会で答弁に立った植田総裁も「基調的な物価上昇率が2%に向けて徐々に高まっていくという見通しが実現する確度は引き続き少しずつ高まっている」と述べ、中川委員と同様の見解を示した。賃金と物価の好循環という観点から、春闘の動向に注目していると述べた。

<マイナス金利解除後の短期金利、付利を活用してコントロール>

植田総裁は、賃金と物価の好循環の強まりを確認し物価目標の持続的・安定的な実現が見通せる状況に至れば、マイナス金利政策やイールドカーブ・コントロール(YCC)の枠組みなど大規模緩和策の修正を検討していくことになると改めて述べた。

その上で、今後YCCの枠組みを撤廃するにしても残すにしても「長期国債の買い入れは続くことになる」とし、見直しの前後で不連続な動きが生じることがないよう適切に対応する方針だとした。また、マイナス金利解除後の短期金利のコントロールは、多額の超過準備が存在する下で日銀当座預金への付利を活用しながら行うことになると踏み込んだ。

マイナス金利とYCCの同時解除の可能性を会見で問われた中川委員は、「マイナス金利が仮に解除できる状況になった時の市場環境や海外の経済状況の影響も受ける」とし、「今何か特別に、決めてかかっているものはない」と述べた。

<マイナス金利解除、政府・与党も容認姿勢>

日銀の政策判断について政府高官や与党幹部からは、タイミングも含めて「日銀が判断すること」として特段の異論は聞かれない。金融政策の正常化に向かうことは、賃金上昇を伴った持続的・安定的な物価上昇の実現の確度が高まったことを意味し、岸田政権が目指す「賃金と物価の好循環」やデフレ完全脱却と「同じ方向を向いている」(経済官庁幹部)という理解だ。

植田総裁や内田真一副総裁は、マイナス金利の解除後も緩和的な金融環境を維持することになるとの見通しを示しており、政府も日銀の執行部がその範囲で当面の金融政策運営を進めるとみている。

前日から日銀会合を巡る報道が相次ぎ、外為市場ではドル安/円高が進行。ドルは朝方は149円前半で推移していたが、午後にかけて148円半ばまで下落。夕方には、損失確定のドル売り/円買いを巻き込みつつ147.86円とさらに下落した。朝方の高値からの下げ幅は1.5円に達し、日銀が1月会合のポイントである「主な意見」を公表した1月31日以来の大幅安となった。

日経平均株価は一時史上最高値を更新したが、円高が進むと輸出株などに売りが出てマイナス転換し、前日比492円07銭安の3万9598円71銭で取引を終えた。10年債利回りは一時0.735%まで上昇した。

(和田崇彦、内田慎一、杉山健太郎、山口貴也 編集:田中志保)

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