パリで開催された3日間の会議で、127カ国の政府関係者が、6月末までに重要な国際租税条約の条件を最終決定するよう働きかけている。この条約は、国境を越えた課税権の配分に対処することを目的としており、特に米国の大手デジタル企業を含む高収益の多国籍企業の利益に焦点を当てている。
経済協力開発機構（OECD）の後援のもとで行われたこの協議は、米国がデジタル大企業を不当にターゲットにしていると批判している、各国のデジタルサービス税がつぎはぎになるのを防ぐための多国間協定の作成が中心となっている。現在のデジタルサービス税に関する多国間協定は7月で期限切れとなるため、デジタルサービス税が再び導入され、特に米国と欧州諸国との貿易摩擦が激化する可能性がある。
提案されている条約は、最大かつ最も収益性の高い多国籍企業の利益約2,000億ドルに対する課税権を、その売上がある国に再配分することを各国政府に認めるものである。この再配分は、2021年に合意された画期的な二本柱の取り決めの第一の柱である。第二の柱は、世界最低法人税率を15％に設定する計画を含むもので、すでに実施段階にある。
条約へのコミットメントにもかかわらず、イタリアのジャンカルロ・ジョルジェッティ経済相は今月初め、米国、インド、中国の留保により交渉が予定通り6月に妥結しない可能性を示唆した。
先週のG7財務相会議に出席したイエレン米財務長官は最近の声明で、米国は現在進行中の協議において移転価格に関する「レッドライン」の問題を抱えていると言及した。イエレン財務長官はまた、この問題に関してインドとの交渉が難航していることを指摘し、中国が交渉に積極的に参加していないことにも言及した。
OECD会合の共同議長は、交渉は完了に近づいていると表明しており、6月末までに合意をまとめることを目指している。この条約が成功裏に成立すれば、多国籍企業にとってよりまとまりのある公正なグローバル税制への重要な一歩となると見られている。
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