15日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・「ポケモノミクス」継続も、ここから「アベノミクス」へシフト
・ドル・円は106円20銭付近、ドル堅調、中国の経済指標上振れで106円台に上昇
・LINE関連銘柄は大幅安
■「ポケモノミクス」継続も、ここから「アベノミクス」へシフト
日経平均は続伸。
189.74円高の16575.63円(出来高概算12億1000万株)で前場の取引を終えた。
14日の米国市場では予想を上回る経済指標のほか、良好な企業決算や原油高が好感され、NYダウ、S&P500種指数は連日で最高値を更新。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比135円高の16535円だった。
この流れから、小幅に続伸して始まった日経平均は、寄付き直後に上げ幅を3ケタに広げている。
もっとも、連日の上昇で過熱感も意識されるなか、買い一巡後はややこう着感が強まる場面もみられている。
しかし、ファーストリテ (T:9983)が16%超の上昇で日経平均を下支えしているほか、為替市場では円相場が1ドル106円台に乗せてくるなど円安の流れが材料視され、前引けにかけて上げ幅を広げてきている。
セクターでは保険、証券、銀行、その他金融、鉄鋼が堅調。
半面、食料品、医薬品、水産農林、サービス、情報通信が一服。
東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1157と、全体の過半数を占めている。
なお、本日上場したLINE (T:3938)の初値は、公開価格3300円を48.5%上回る4900円だった。
その後5000円まで上げ幅を拡大した後は、4600円を挟んでの推移となっている。
LINE (T:3938)が好スタートを切ったが、節目の5000円に乗せたことで、本日のところは出来過ぎといったところか。
ファーストリテ (T:9983)の急伸が日経平均に大きくインパクトを与えている。
ファーストリテ次第といったなか、日経平均の上昇ほど強さは感じづらい面はありそうだ。
また、3連休を控えていることも手掛けづらくさせてきそうである。
一方で、円相場は1ドル106円台に乗せてきている。
任天堂 (T:7974)も連日の年初来高値更新と物色が続いている。
さすがに利食いも出やすく、高値からは上げ幅を縮めているが、ポケモノミクス相場は継続しよう。
もっとも、円安の流れが強まるなか、金融政策等への期待が高まってきている。
金融株の上昇が目立つほか、輸出関連等への買戻しもみられている。
ポケモノミクスは継続しようが、ここはアベノミクスへのシフトが意識される。
(株式部長 村瀬智一)
■ドル・円は106円20銭付近、ドル堅調、中国の経済指標上振れで106円台に上昇
15日午前の東京外為市場では、ドル・円は堅調地合いとなった。
中国の国内総生産(GDP)など経済指標の堅調な内容が好感され、106円台を回復した。
ドル・円は、フランスのニースで14日夜(日本時間15日5時ごろ)、トラックが群衆に突っ込むテロ事件が嫌気され、朝方の取引で105円05銭まで下げた。
その後は日本株の上昇などを背景に切り返した。
また、11時に発表された中国の経済指標のうち、4-6月期GDPは前年比+6.7%と、予想の+6.6%を上回った。
他の指標も堅調となったことが好感されドル買いが入り、106円を上抜けた。
ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いが続いているため、ドルは午後も106円台を維持する可能性はあろう。
ただ、東京市場は3連休を控え、利益確定売りも出やすい見通し。
ここまで、ドル・円は105円05銭から106円32銭、ユーロ・ドルは1.1105ドルから1.1140ドル、ユーロ・円は116円68銭から118円40銭で推移。
12時22分時点のドル・円は106円20銭、ユーロ・円は118円22銭、ポンド・円は142円78銭、豪ドル・円は81円32銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・明治HD (T:2269)、ポーラオルビス (T:4927)など3社の目標株価変更
・LINE (T:3938)、関連銘柄は大幅安
・オランド仏大統領
「ニースでの事件は明らかなテロ行為」
・麻生財務相
「G20では英国からEU離脱の説明があるだろう」
・中・6月鉱工業生産:前年比+6.2%(予想:+5.9%、5月:+6.0%)
中・6月小売売上高:前年比+10.6%(予想:+9.9%、5月:+10.0%)
中・4-6月期GDP:前年比+6.7%(予想:+6.6%、1-3月期:+6.7%)
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