■会社概要
(1)事業内容
アウトソーシング (T:2427)は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」やIT及び土木建築系企業などに対して技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍基地向けや海外展開にも積極的である。
元来、自動車関連業界に強い顧客基盤を有しており、メーカーの生産効率向上や技術革新に貢献するとともに、M&Aを含めた効果的な人材確保に取り組んできたことが同社の成長を支えてきた。
現在は、景気変動の影響を受けやすい事業特性からの脱却を図るため、事業構造の変革に取り組んでいる。
海外を含めた人材提供数(外勤社員数)は3.6万人を超え、業界最大の規模を誇っている(2016年6月末現在)。
事業セグメントは、「国内技術系アウトソーシング事業」、「国内製造系アウトソーシング事業」、「国内サービス系アウトソーシング事業」に加えて、海外における「海外技術系事業」、「海外製造系及びサービス系事業」など8つに区分される。
事業別売上構成比では、「国内技術系アウトソーシング事業」が32.9%、「国内製造系アウトソーシング事業」が26.9%と高い比率となっているが、注力する「国内技術系」のほか、海外事業が積極的なM&Aにより大きく伸びている(2016年12月期第2四半期累計実績)。
各事業の概要は以下のとおりである。
「国内技術系アウトソーシング事業」は、輸送用機器や電気機器、金属・建材、医薬品等の幅広い分野のメーカーにおける研究開発部門への技術者派遣等のほか、IT及び土木建築系企業に対する技術者派遣等を行っている。
特に、市場規模が大きく、更なる成長が見込めるIT及び土木建築分野の強化に取り組んでおり、同社グループが展開するKENスクールにて、顧客(通信キャリア等)と共同開発した人材育成カリキュラム(未経験・異分野からのキャリアチェンジを含む)を推進し、既に5,700名を超える技術者を擁する国内有数の技術系アウトソーシング事業集団となっている。
「国内製造系アウトソーシング事業」は、輸送用機器や電気機器などのメーカーの製造工程の外注化ニーズに対応し、生産技術、管理ノウハウを提供することで生産効率の向上を実現するサービスを行っている。
創業時からの主力事業であり、足元での業績は堅調であるが、景気変動(生産変動)の影響を受けやすいうえ、中長期的には国内市場の縮小が予想されている。
同社では独自のノウハウを活用することで、景気変動の影響が少ない長期事業領域での人材ニーズの創出と顧客の囲い込みにより、日本の安定雇用の役割を担うとともに持続的な成長を目指す方針である。
「国内サービス系アウトソーシング事業」は、前期から立ち上がった事業であるが、米軍基地内施設等官公庁向け人材サービス及びコンビニエンスストア向けサービス等を提供している。
米軍基地向け(沖縄各基地等)は、参入障壁が高いうえ、景気変動の影響を受けにくい分野であるが、米軍基地内福利厚生施設への派遣や請負のほか、新たに滑走路や格納庫等の軍事設備の改修・メンテナンス業務の請負も予定している。
また、日本の主産業となったコンビニ業界向けは、大手コンビニ本部に対して各フランチャイズが使う派遣会社の一括管理業務などを受託している。
「国内管理系アウトソーシング事業」は、メーカーが直接雇用する期間社員及び実習生等の採用後の労務管理や社宅管理等に係る管理業務受託事業及び期間満了者の再就職支援までを行う一括受託サービスを提供している。
労働契約法や労働者派遣法の改正により派遣活用の利便性が高まるなかで、メーカー直接雇用による期間社員活用ニーズは縮小する方向にある。
一方、メーカーが直接受け入れる外国人技能実習生※に対する管理業務は拡大しており、今後も成長余地が大きい。
※外国人技能実習制度とは、法に基づき、外国人が日本の現場で最長3年(建設系は5年)実習し、帰国後に習得技能を活用する制度
「国内人材紹介事業」は、メーカーが直接雇用する期間社員の採用代行サービスを提供している。
こちらも労働契約法や労働者派遣法の改正により市場全体のニーズは縮小する方向にある。
「海外技術系事業」は、在外子会社にて、欧州及び豪州を中心にITエンジニアや金融系専門家の派遣サービス等を提供している。
「海外製造系及びサービス系事業」は、在外子会社にて、アジア及び南米を中心に製造系生産アウトソーシングへの人材サービス及びホワイトカラー人材の派遣・紹介事業や給与計算代行事業を行っている。
特に、「海外技術系事業」との連携により、公的サービスの民間委託分野(債権回収等)に注力している。
「その他の事業」は、製品の開発製造販売及び給与計算や事務業務等を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
(1)事業内容
アウトソーシング (T:2427)は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」やIT及び土木建築系企業などに対して技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍基地向けや海外展開にも積極的である。
元来、自動車関連業界に強い顧客基盤を有しており、メーカーの生産効率向上や技術革新に貢献するとともに、M&Aを含めた効果的な人材確保に取り組んできたことが同社の成長を支えてきた。
現在は、景気変動の影響を受けやすい事業特性からの脱却を図るため、事業構造の変革に取り組んでいる。
海外を含めた人材提供数(外勤社員数)は3.6万人を超え、業界最大の規模を誇っている(2016年6月末現在)。
事業セグメントは、「国内技術系アウトソーシング事業」、「国内製造系アウトソーシング事業」、「国内サービス系アウトソーシング事業」に加えて、海外における「海外技術系事業」、「海外製造系及びサービス系事業」など8つに区分される。
事業別売上構成比では、「国内技術系アウトソーシング事業」が32.9%、「国内製造系アウトソーシング事業」が26.9%と高い比率となっているが、注力する「国内技術系」のほか、海外事業が積極的なM&Aにより大きく伸びている(2016年12月期第2四半期累計実績)。
各事業の概要は以下のとおりである。
「国内技術系アウトソーシング事業」は、輸送用機器や電気機器、金属・建材、医薬品等の幅広い分野のメーカーにおける研究開発部門への技術者派遣等のほか、IT及び土木建築系企業に対する技術者派遣等を行っている。
特に、市場規模が大きく、更なる成長が見込めるIT及び土木建築分野の強化に取り組んでおり、同社グループが展開するKENスクールにて、顧客(通信キャリア等)と共同開発した人材育成カリキュラム(未経験・異分野からのキャリアチェンジを含む)を推進し、既に5,700名を超える技術者を擁する国内有数の技術系アウトソーシング事業集団となっている。
「国内製造系アウトソーシング事業」は、輸送用機器や電気機器などのメーカーの製造工程の外注化ニーズに対応し、生産技術、管理ノウハウを提供することで生産効率の向上を実現するサービスを行っている。
創業時からの主力事業であり、足元での業績は堅調であるが、景気変動(生産変動)の影響を受けやすいうえ、中長期的には国内市場の縮小が予想されている。
同社では独自のノウハウを活用することで、景気変動の影響が少ない長期事業領域での人材ニーズの創出と顧客の囲い込みにより、日本の安定雇用の役割を担うとともに持続的な成長を目指す方針である。
「国内サービス系アウトソーシング事業」は、前期から立ち上がった事業であるが、米軍基地内施設等官公庁向け人材サービス及びコンビニエンスストア向けサービス等を提供している。
米軍基地向け(沖縄各基地等)は、参入障壁が高いうえ、景気変動の影響を受けにくい分野であるが、米軍基地内福利厚生施設への派遣や請負のほか、新たに滑走路や格納庫等の軍事設備の改修・メンテナンス業務の請負も予定している。
また、日本の主産業となったコンビニ業界向けは、大手コンビニ本部に対して各フランチャイズが使う派遣会社の一括管理業務などを受託している。
「国内管理系アウトソーシング事業」は、メーカーが直接雇用する期間社員及び実習生等の採用後の労務管理や社宅管理等に係る管理業務受託事業及び期間満了者の再就職支援までを行う一括受託サービスを提供している。
労働契約法や労働者派遣法の改正により派遣活用の利便性が高まるなかで、メーカー直接雇用による期間社員活用ニーズは縮小する方向にある。
一方、メーカーが直接受け入れる外国人技能実習生※に対する管理業務は拡大しており、今後も成長余地が大きい。
※外国人技能実習制度とは、法に基づき、外国人が日本の現場で最長3年(建設系は5年)実習し、帰国後に習得技能を活用する制度
「国内人材紹介事業」は、メーカーが直接雇用する期間社員の採用代行サービスを提供している。
こちらも労働契約法や労働者派遣法の改正により市場全体のニーズは縮小する方向にある。
「海外技術系事業」は、在外子会社にて、欧州及び豪州を中心にITエンジニアや金融系専門家の派遣サービス等を提供している。
「海外製造系及びサービス系事業」は、在外子会社にて、アジア及び南米を中心に製造系生産アウトソーシングへの人材サービス及びホワイトカラー人材の派遣・紹介事業や給与計算代行事業を行っている。
特に、「海外技術系事業」との連携により、公的サービスの民間委託分野(債権回収等)に注力している。
「その他の事業」は、製品の開発製造販売及び給与計算や事務業務等を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)