ドル/円
午後3時現在 81.01/03 1.4473/74 117.23/30
正午現在 80.99/01 1.4486/87 117.31/35
午前9時現在 80.77/81 1.4540/44 117.46/50
NY17時現在 80.73/75 1.4540/44 117.44/49
--------------------------------------------------------------------------------
[東京 5日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に
比べて小幅高の81円付近で推移している。米国の本国送金法(HIA)に関する観測報
道を受けて米企業のリパトリ期待が広がり、午前中にドルが幅広く買われた。ドルの堅調
地合いが続いたことから追随買いもでて、ドル/円は81円付近で上値を探る動きになっ
ている。
午前中に、米国の本国送金法(HIA)に関する一部観測報道が市場で話題になり、米
企業によるドルのリパトリ期待が広がった。このため、ドルは対円、対ユーロなどで幅広
く買われ、ドル/円は上値にあったストップロスを巻き込んで81円台に乗せた。一方、
81円台では輸出企業の売りが出たことでいったんは上値が押さえられたが、その後も
幅広いドル買い地合いが継続。ドル/円にも上値期待が出て、モデル系ファンドなどの追
随買いが入ったという。市場では「もう少し上を試したいムードだ」(大手銀行)との声
が聞かれ、直近高値(6月28日の81.27円)などが意識されている。
ドル買い地合いのなかで、ユーロ/ドルでもドル買い戻しが優勢となり、ユーロは
1.45ドルを割り込んだ。このところのユーロ上昇で「ユーロ買い方向でみていた向き
が多いため、彼らの置いたストップロスをつけてユーロが売られた。1.44ドル前半に
かけて、まだ下値にはストップロスがある」(国内銀行)との声が聞かれる。
また「欧州中銀(ECB)の利上げ前にドル売りポジションを利食おうとする動きが出
ている」(大手銀行)との声も上がっている。7日の理事会での利上げ期待は強いものの、
その後はしばらく利上げは見送られるとの見方が広がっているためで、コスト高のユー
ロ/ドルのロングポジションから荷もたれ感が生じているという。4日に発表された5月
のユーロ圏PPIは前月比で0.2%低下しており、ECBが懸念していたインフレ圧力
が一服していることが示された。
<豪中銀理事会後の声明で、豪ドル/米ドルが下落>
ドル買い地合いは豪ドル/米ドルにも広がった。このため、午前中に発表された5月の
豪貿易収支は市場予想も上回る23億3300万豪ドルの黒字を計上したが、豪ドル/米
ドルには売りが先行。1.07ドルを割り込んだ。
午後に入ってオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が理事会で政策金利のオフ
ィシャルキャッシュレート据え置きを発表。これは市場予想通りだったが、声明の内容は
「ややハト派的だった」(外資系銀行)と受け止められ、豪ドルは一時1.0664ドル
まで下落した。
豪中銀の声明は「2011年の成長率は、以前の予想ほど強くない見込み」、「雇用の
伸びは目先鈍化する見込み」との景気認識を示した。バークレイズ銀行チーフFXストラ
テジスト、山本雅文氏は「足元景気の減速に言及したことで豪ドル売りになったものだろ
う」とみている。
山本氏は「短期金利の織り込みなどからみると、市場では、利上げ方向というよりは利
下げ方向の見方も出ていた。こうした見方からすれば、声明に意外感はない。豪ドルは今
後、金融政策面からの押し上げ効果は期待しにくくなり、リスクセンチメントや中国の動
向をにらんで動くことになるだろう」としている。
豪ドルは、6月27日にリスク回避の動きから1.0390ドルまで下落したあと、7
月4日に1.0790ドルまで切り返していた。豪ドルはこの3分の1押し
(1.0657ドル)付近まで下落したことになる。
(ロイターニュース 松平陽子)