ドル/円
午後3時現在 81.25/29 1.4338/43 116.51/56
正午現在 81.24/29 1.4351/54 116.60/65
午前9時現在 81.25/29 1.4361/64 116.68/73
NY17時現在 81.22/24 1.4357/62 116.67/71
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[東京 8日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点と
ほぼ同水準の81円前半で推移している。6月の米雇用統計の発表を待って様子見ムード
が強まり、ドル/円は81円前半でこう着。きょうの上下値幅は11銭にとどまった。ユ
ーロ/ドルも1.43ドル半ばをはさんで狭いレンジ取引になった。6月のADP全米雇
用報告を受けて雇用統計に対する市場の目線が上がっており、交錯する期待と不安が取引
を慎重にさせているという。
ドル/円は終日、81.21─81.32円の11銭レンジでもみあった。海外市場で
5週間ぶり高値(81.41円)をつけた後とあって、上値では輸出の売りが厚みを増し
ているという。「81.30円から上には輸出の売りが出ており、東京時間に上値をトラ
イするのは難しい」(国内銀行)との声が聞かれた。
一方で、下値には「テクニカルに上を探る動きが出てきたことで、リアルマネーの買い
が入っている」(セントラル短資FX営業本部、武田明久氏)ことから、ドル/円は狭い
レンジ取引になった。
参加者の関心は、予想を上回ったADP全米雇用報告を受けて、きょうの米雇用統計に
集中している。「ADPと雇用統計は、予想に対して逆の方向にはずれることも多い。期
待値が上がっているだけに不安はある。ただ、ドルの81円台は売りオーダーが多いが、
82円台まで上がれればストップロスが目立ち、値が軽くなる可能性がある」(武田氏)
との声が聞かれる。
<米非農業部門雇用者数増加幅の期待値は12万人程度に>
ADP全米雇用報告を受けて米雇用統計に対する市場の期待値は上がっており、非農業
部門雇用者数の増加幅について「目線は12万─13万人増くらいにあがっている」(国
内銀行)「12万人増程度か」(クレディ・スイス証券チーフ通貨ストラテジスト、深谷
幸司氏)などの声が出ている。
このため「10万人割れの数字ではドル/円は売られるかもしれない」(国内銀行)と
の見方もある。ロイター調査の予測中央値は9万人増。
ただ、予想を上回った6月米ISM製造業景気指数をきっかけに、米国の景気停滞がソ
フトパッチで終わるとの期待感が浮上、米10年債利回り
展開になりつつある。雇用統計が極端に弱い数字でなければ、ドル/円が売られても下値
余地は限られるとみる声もあり「80.80円付近は底堅そうだ。当面、方向としてはド
ル/円は上方向にバイアスがかかるだろう」(クレディ・スイス証券、深谷氏)との声も
聞かれる。
<ECBの年内利上げ期待がユーロをサポート>
欧州中銀(ECB)理事会の利上げを通過し、ユーロ/ドルの上値は重くなっている。
一方、トリシェ総裁が物価について「注意深く監視(monitor very closely)」とコメン
トしたことで、市場では「年内にあと1回くらいは利上げがある」(外資系証券)との見
方が広がっている。「政策の方向が金利引き上げに向いていることは間違いない。トリシ
ェ総裁が8月の理事会で『強い警戒(strong vigilance)』といってもおかしくはない」
(三菱東京UFJ銀行アナリスト、井野鉄兵氏)との声も出ている。
このため、市場には利上げ通過による出尽くし感が広がっていない。ECB理事会前は
「年内に利上げがあるかどうかわからない」(大手銀行)との声も聞かれたが、トリシェ
総裁が年内利上げ期待を残したことがユーロをサポートしており、当面のレンジの下方修
正にはつながっていないという。
(ロイターニュース 松平陽子)