ドル/円
午後3時現在 80.76/77 1.4203/06 114.70/74
正午現在 80.71/76 1.4209/11 114.71/76
午前9時現在 80.65/70 1.4210/13 114.62/66
NY17時現在 80.62/66 1.4267/73 115.00/05
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[東京 11日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時に比
べて小幅高の80円後半。アジア時間は欧州債務問題が嫌気され、ユーロや豪ドルなど金
利の高い通貨が売られた。ドル/円は前週末の米雇用統計後に売られた反動から、やや買
い戻された。
<イタリアへ波及か>
ユーロ/ドルは2週間ぶりに1.42ドルを割り込んだ。午前中はすぐに1.42ドル
台に回復していたが、午後になると一段と上値が重く、1.41ドル後半を中心にもみ合
った。
ユーロの上値を重くしたのは、英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙の報道。11日
開催のユーロ圏財務相会合で、ギリシャ国債の一部デフォルト(債務不履行)を容認する
案が協議される見通しと伝えた。フランスが提示しているギリシャ債務のロールオーバー
(借り換え)案は破棄される可能性があるという。
欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領が、欧州首脳の緊急会合を11日朝に招集し
たこともユーロの重しになった。会合ではギリシャに対する第2次支援策に加え、イタリ
アについても議論される見通し。イタリアをめぐっては、債務危機が波及するとの懸念か
ら前週末8日に同国債の対独スプレッドが過去最高の2.45%に拡大。ベルルスコーニ
首相が、支出削減の必要性を訴えているトレモンティ経済相を更迭しようとしているとの
見方も市場の不安を誘った。
<炭素税が豪ドルの重しに>
ドル/円は、米雇用統計の結果を受けて大きく下落した前週末の流れを引き継ぎ、序盤
は弱含んだ。しかし、米景気よりも欧州債務問題が材料視されると、対ユーロや対豪ドル
でドルが買われ、ドル/円も買い戻された。雇用統計は米景気の回復が緩やかなペースに
とどまっていることを裏付けたものの、市場参加者の多くは景気の腰折れまではないとみ
ている。今週はバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が議会証言に立つが、「景気
認識は従来通り、回復傾向にはあるが、回復の動きが明確になる前の段階にあるとの考え
が示されるだろう。量的緩和第3弾(QE3)など追加緩和を実施することはなさそうだ」
(みずほ証券のグローバルエコノミスト、林秀毅氏)との声が出ていた。
リスク回避地合いから、この日は、ユーロ以外にも豪ドルやニュージーランド(NZ)
ドルが売られた。とりわけ炭素税の導入計画を明らかにしたオーストラリアの豪ドルが下
落し、NZドルに対しても弱含んだ。豪ドル/NZドルは5月半ぶりの安値をつけた。炭
素税の課税対象となるのは鉄鋼やアルミメーカーなど500社で、排出量1トン当たり
23豪ドル(24.70米ドル)。1年ごとに2.5%引き上げられる。この計画に野党
は反発している。
(ロイターニュース 久保 信博記者)