日経平均<.N225> 日経平均先物9月限<0#2JNI:>
終値 8944.48 (-153.08) 終値 9000 (-120)
寄り付き 8911.80 寄り付き 9120
安値/高値 8656.79─8949.97 安値/高値 8650─9000
東証出来高(万株) 331923 出来高(単位) 131250
-------------------------------------------------------------------------------
[東京 9日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は3日続落した。米国債格下げや
欧州財政問題を背景に、世界的なリスク回避の動きに傾いており、東京市場も全面安の展
開。日経平均は3月17日以来、約5カ月ぶりに9000円を割り込んだ後も下げ足を速
め、前日比400円超安い8600円台に下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)
を控え催促相場の様相だった。後場に入ると500億円規模の買いが入り、下げ幅縮小に
寄与。日経平均先物は一時9000円台に戻した。
東証1部騰落数は値上がり362銘柄に対し値下がり1206銘柄、変わらずが101
銘柄。東証1部の売買代金は1兆9763億円。
世界的にリスク回避の流れとなっており、8日の米国株式市場はナスダック総合指数
<.IXIC>が6.90%下落するなど大幅安となった。リセッション(景気後退)への懸念
が高まる中、米国債の格下げを受けて投資家心理が一段と悪化した。これを受け、東京市
場も主力株を中心に売りが先行。日経平均は3月17日以来、約5カ月ぶりに9000円
を割り込んだ。その後も下げ幅を広げ、前日比400円超安い8600円半ばに一時下落
した。
前場ではホンダ<7267.T>のほかソニー<6758.T>、三井住友フィナンシャルグループ
<8316.T>、コマツ<6301.T>、武田薬品工業<4502.T>など主力銘柄が年初来安値を更新し
た。個別銘柄ではエルピーダメモリ<6665.T>の大幅下落も目立った。8日発表した4─6
月期連結決算で、営業損益は38億円の赤字となったことが嫌気されている。クレディ・
スイス証券は8日付リポートで、目標株価を670円から510円に引き下げたことなど
が材料視された。
市場では、軟調相場の中でリバウンドへの期待感も出ていた。三菱UFJモルガン・ス
タンレー証券シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏は「今晩のFOMCでは何らかのア
ナウンスが出るだろうが、抜本的な問題解決は期待できない。海外要因での株安だけに、
日本株の下値も読みにくくなっている」と指摘した。一方で、三田証券株式営業部長の倉
持宏朗氏は「今後の日米欧当局のコメント次第では(株価は)リバウンドに向かう可能性
もある」との見方を示した。大手証券の株式トレーダーによると、下値では国内機関投資
家によるシクリカル銘柄の買いが観測された。
後場に入ると下げ幅は縮小した。邦銀系の株式トレーダーによると、後場に入って50
0億円規模の買いが観測された。日銀は8月に入って2日、3日、5日、8日に241億
円のETF買い入れを実施している。東京市場のほかにも、ソウル市場で韓国の年金筋に
よる買い、台湾でも台湾の政府系ファンドの買いが観測されるなど各国のPKO的な動き
で「急激な株安はいったん収束に向かうのではないか」と同トレーダーはみていた。日経
平均先物は引け間際に9000円に戻した。
大和証券・投資情報部次長の西村由美氏は、主力銘柄が年初来安値を更新したり割安感
が強まっていることもあり、日本株は大幅に下げているものの一段の下落余地は大きくな
い、と述べた。一方で、「決して押し目買いが多く入っている感じでもなく、戻る際にも
上値は重いだろう。引き続き反発のきっかけを探る展開だ」との見方を示した。
(ロイターニュース 吉池 威)