■事業概要
1. 中核商品の紹介
ドーン (T:2303)の代名詞ともなっているのが「NET119緊急通報システム」である。
このサービスは2010年に提供を始めた前身の「緊急通報システムWeb119」をリニューアルしたもので、聴覚や発話に障がいのある人のための緊急通報システムとして、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用して、簡単に素早く119番通報することができる。
急病やケガ、地震災害や火災などの緊急時に、自宅からの通報はもちろん、GPS機能を利用しているため外出先からも通報でき、受信側はすぐに居場所を特定できる。
操作性の良さやシステムとしての信頼性の高さが評価され、現在では全国の自治体・消防団体で広く普及している。
神戸市や川口市などの自治体を皮切りに導入が進み、2015年12 月には東京消防庁、2016年10月には大阪市消防局で稼働が開始し、全国の自治体への横展開に弾みがついている。
2017年5月現在、当システムが導入されている消防の管轄人口のカバー率は29%(稼働ベース)。
同社では2020年5月期に人口カバー率を50%まで高めたい考えだ。
当システムはクラウド型サービスであり、顧客である自治体にとっては自前で運営する場合と比較してコストが安く運営の手間もかからないというメリットがある。
ちなみに料金体系は、消防の管轄人口に応じた月額利用料を支払う方式である。
2. クラウド型サービスの成長
システム開発においては“所有から利用へ”の流れの中で「クラウド」へのシフトが進行中である。
顧客にとって初期投資が抑えられ、磨き抜かれた最新のシステムが利用でき、自前で運用・保守をする面倒もない。
クラウド化の進展は、同社の収益改善にも大きく貢献してきた。
2014年5月期に81百万円、全社売上高の13%だったクラウド利用料の売上高は、3年後の2017年5月期には239百万円と約3倍になり全社売上高の30%まで上昇した。
これと並行して営業利益は3百万円(2014年5月期)から125百万円(2017年5月期)と急拡大し、売上高営業利益率も1%(2014年5月期)から16%(2017年5月期)に急上昇した。
今後もクラウド利用料の売上高を伸ばし、収益力を高めることが、同社の基本戦略となる。
3. 生産性向上と働き方改革
IT業界は人材不足が懸念されている。
同社においても専門性の高い人材の確保の取り組みを進めている。
新入社員の定期採用も近年継続して行っており、従業員数は着実に増えてきた。
同社には地図が好きで入社したスタッフや、地理情報システムに専門性を持つスタッフが多く存在し、定着率は高い。
従業員1人当たりの売上高は、15.3百万円(2014年5月期)から17.1百万円(2017年5月期)に向上した。
一方で外注費を79百万円(2014年5月期)から21百万円(2017年5月期)に減少させており、従業員がしっかり稼ぐ企業体質に変革してきている。
同社は、以前から残業の削減や有休消化率の向上に力を入れてきた。
特に残業に関しては、21時以降の残業を原則禁止し、2016年からはノー残業デー(水曜日)を設け、定時で帰ることを制度化し、3年前と比較し平均月20時間以上の残業削減に成功した。
事業セグメント別では、受託開発事業における残業が比較的多くなっているため、受託開発事業からクラウド事業への軸足のシフトは、働き方改革を加速する上でも鍵を握っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
1. 中核商品の紹介
ドーン (T:2303)の代名詞ともなっているのが「NET119緊急通報システム」である。
このサービスは2010年に提供を始めた前身の「緊急通報システムWeb119」をリニューアルしたもので、聴覚や発話に障がいのある人のための緊急通報システムとして、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用して、簡単に素早く119番通報することができる。
急病やケガ、地震災害や火災などの緊急時に、自宅からの通報はもちろん、GPS機能を利用しているため外出先からも通報でき、受信側はすぐに居場所を特定できる。
操作性の良さやシステムとしての信頼性の高さが評価され、現在では全国の自治体・消防団体で広く普及している。
神戸市や川口市などの自治体を皮切りに導入が進み、2015年12 月には東京消防庁、2016年10月には大阪市消防局で稼働が開始し、全国の自治体への横展開に弾みがついている。
2017年5月現在、当システムが導入されている消防の管轄人口のカバー率は29%(稼働ベース)。
同社では2020年5月期に人口カバー率を50%まで高めたい考えだ。
当システムはクラウド型サービスであり、顧客である自治体にとっては自前で運営する場合と比較してコストが安く運営の手間もかからないというメリットがある。
ちなみに料金体系は、消防の管轄人口に応じた月額利用料を支払う方式である。
2. クラウド型サービスの成長
システム開発においては“所有から利用へ”の流れの中で「クラウド」へのシフトが進行中である。
顧客にとって初期投資が抑えられ、磨き抜かれた最新のシステムが利用でき、自前で運用・保守をする面倒もない。
クラウド化の進展は、同社の収益改善にも大きく貢献してきた。
2014年5月期に81百万円、全社売上高の13%だったクラウド利用料の売上高は、3年後の2017年5月期には239百万円と約3倍になり全社売上高の30%まで上昇した。
これと並行して営業利益は3百万円(2014年5月期)から125百万円(2017年5月期)と急拡大し、売上高営業利益率も1%(2014年5月期)から16%(2017年5月期)に急上昇した。
今後もクラウド利用料の売上高を伸ばし、収益力を高めることが、同社の基本戦略となる。
3. 生産性向上と働き方改革
IT業界は人材不足が懸念されている。
同社においても専門性の高い人材の確保の取り組みを進めている。
新入社員の定期採用も近年継続して行っており、従業員数は着実に増えてきた。
同社には地図が好きで入社したスタッフや、地理情報システムに専門性を持つスタッフが多く存在し、定着率は高い。
従業員1人当たりの売上高は、15.3百万円(2014年5月期)から17.1百万円(2017年5月期)に向上した。
一方で外注費を79百万円(2014年5月期)から21百万円(2017年5月期)に減少させており、従業員がしっかり稼ぐ企業体質に変革してきている。
同社は、以前から残業の削減や有休消化率の向上に力を入れてきた。
特に残業に関しては、21時以降の残業を原則禁止し、2016年からはノー残業デー(水曜日)を設け、定時で帰ることを制度化し、3年前と比較し平均月20時間以上の残業削減に成功した。
事業セグメント別では、受託開発事業における残業が比較的多くなっているため、受託開発事業からクラウド事業への軸足のシフトは、働き方改革を加速する上でも鍵を握っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)