日経平均<.N225> 日経平均先物12月限<0#2JNI:>
終値 8738.9 -34.78 終値 8740 -30
寄り付き 8719.67 寄り付き 8720
安値/高値 8689.38─8763.02 安値/高値 8690─8770
東証出来高(万株) 152453 出来高(単位) 32529
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[東京 12日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は4日ぶりに反落した。スロバ
キア議会での欧州金融安定ファシリティー(EFSF)拡充案をめぐる議会採決が意識さ
れたほか、ダウ先物
よる洪水で国内の主力メーカーが生産停止になっていることも嫌気されたという。ただ、
アジア株高や景気敏感株への買い戻し、TOPIX先物買いなどが指摘され、後場は下げ
幅を縮小した。
東証1部騰落数は値上がり709銘柄に対し値下がり801銘柄、変わらずが149銘
柄。東証1部の売買代金は9750億円となり、9月21日以来3週間ぶりに1兆円を割
り込んだ。
11日の米国株式市場はまちまちで指数はほぼ変わらずだった。米アルミ大手アルコア
取引でアルコア株価は4.6%安。GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システ
ム)で米株価指数先物が軟調に推移し、序盤の東京市場では売りが先行した。
米市場引け後には、スロバキア議会がEFSF機能拡充案と関連づけた内閣信任案を否
決。カブドットコム証券チーフストラテジストの河合達憲氏は「スロバキア議会の欧州債
務問題の決着が先送りとなり焦点ボケの相場展開だ。前日の米株市場にも気迷いムードが
出ている」という。邦銀系の株式トレーダーからは欧州勢による数百億円規模の売りが指
摘され、日経平均は一時8700円を割り込んだ。
ただ後場に入ると下げ幅を縮小した。中国株式市場の上海総合株価指数<.SSEC>が2%
上昇し、香港株式市場のハンセン指数<.HSI>も上昇に転じるなどアジア株高に反応したと
いう。国内投信ファンドマネージャーは「景気敏感株の戻りが続いており、欧州不安の後
退を背景としたリバウンド相場が継続している」と指摘した。市場ではTOPIX先物へ
の買いも観測されたが、「現物市場は国内の材料が乏しく様子見気分が強い。目先筋が小
口の押し目買いを入れている程度だ」(準大手証券トレーダー)といい、薄商いにとどま
った。
また、タイ洪水被害に関連し、進出企業などへの売りが目立った。東証1部売買代金ト
ップとなったホンダ<7267.T>は反落。野村証券・リサーチアナリストの桾本将隆氏は11
日付レポートで、工場への浸水と工作機械への被害を考慮すると「復旧には相当の時間を
要する可能性が高い」と指摘。「仮に生産再開までに3カ月を要した場合、生産台数で6
万台、営業利益で250億円前後の影響となろう」と試算した。
このほか、ニコン<7731.T>やトヨタ自動車<7203.T>、パイオニア<6773.T>、フジクラ
<5803.T>、日本電産<6594.OS>、ミネベア<6479.T>などタイに生産拠点を設け、被害が懸
念される銘柄が軒並み売り優勢。さらに日系企業の生産停止に伴う保険金支払いなどが懸
念され、NKSJホールディングス<8630.T>など損保株も軟調に推移した。「商品のき損
だけでなく、洪水による逸失利益や休業による損害までカバーすることになれば再保険を
考慮しても相当の金額になる可能性がある」(外資系証券の保険担当アナリスト)という。
一方、内閣府が12日に発表した8月機械受注統計によると、設備投資の先行指標であ
る船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比11.0%増の8049億
円となった。市場の予想を大きく上回ったことを受け、オークマ<6103.T>、東芝機械
<6104.T>、牧野フライス製作所<6135.T>などの機械株が買われた。
(ロイターニュース 杉山容俊)