■要約
テクマトリックス (T:3762)は、ニチメン(株)(現・双日 (T:2768))の営業部門の戦略子会社として設立されたニチメンデータシステム株式会社が前身で、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業を展開している。
情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、単なる製品販売にとどまらずシステム構築、保守、運用・監視サービスまで含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供していることが強み。
また、アプリケーション・サービス事業では医療やCRM、インターネットサービス、ソフトウェア品質保証など特定市場及び特定業界に特化したソリューションサービスを展開しており、クラウド型PACS※(医用画像管理システム)では業界最大手、CRMシステムでも業界トップクラスの導入実績を誇る。
※画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication Systems) の略称で、MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡やPET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。
1. 2018年3月期第2四半期累計業績
2018年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比6.1%増の11,028百万円、営業利益が同6.5%減の556百万円となった(会社計画は売上高11,200百万円、営業利益700百万円)。
売上高はネットワーク及びセキュリティ製品の需要が民間、官公庁向けともに旺盛だったこと、アプリケーション・サービス事業も医療分野やソフトウェア品質保証分野が2ケタ増収と好調に推移したことで、半期ベースで過去最高を更新した。
一方、利益面では子会社で事業構造改革を実施したこと、アプリケーション・サービス事業において一部不採算案件が発生したことにより減益となった。
ただ、いずれも一時的なもので、第3四半期以降の業績に対する影響はない。
同要因を除けば、注力しているクラウドサービスが拡大し、受注残高も前年同期末比5.7%増の12,934百万円と積み上がるなど、順調に推移したと言える。
2. 2018年3月期連結業績見通し
2018年3月期の通期連結業績は、売上高が前期比9.1%増の24,000百万円、営業利益が同21.7%増の2,000百万円と期初計画を据え置いている。
第2四半期までの進捗は計画をやや下回るものの、市場環境は引き続き良好で、高水準の受注残高があること、下期は新製品の投入効果も見込まれることから、第3四半期以降の挽回は可能と見られる。
情報基盤事業では、2017年10月に文部科学省から発表された「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が求めるセキュリティ強化に対応したファイル無害化システムを11月より教育委員会向けに販売開始した。
同事業では、引き続きセキュリティ関連製品の好調が続く見通し。
アプリケーション・サービス事業では、クラウドPACS「NOBORI(のぼり)」の契約施設数拡大や自動車関連業界等でのソフトウェアテストツールの需要伸長による収益増、製薬企業向けや地方自治体向けに特化したCRMシステムの新製品投入効果が見込まれる。
3. 次世代型ITサービス企業として更なる成長を目指す
同社は2018年3月期を最終年度とする中期経営計画「TMX3.0」の基本方針として、「従来のIT産業の労働集約的なビジネスから脱却し、自らITサービスを創造し、ITサービスを提供する『次世代のITサービスクリエーター』、『次世代のITサービスプロバイダー』への変貌を継続する」ことを掲げ、事業構造改革を進めると同時に、自社開発したクラウドサービス事業の強化に取り組んできた。
現在検討を進めている次期中期経営計画でも従来の事業戦略を踏襲しつつ、さらに高品質なサービスを開発、提供していくことで、収益性を高めながら業績拡大を目指していくものと予想される。
特に、クラウドPACS「NOBORI」については地域包括ケアシステムにおいて病診連携が強化されるなかで、従来型PACSからのシフトが進むと同時に、PACS導入率が4割程度と言われる小規模病院などへの普及拡大も期待される。
クラウドサービスではネットワークセキュリティ対策が重要となるが、同領域で高い技術力を持つことも同社の強みとなる。
同事業は2017年3月期で黒字化しており、今後契約施設数の拡大に伴って収益性も向上し、業績けん引役の1つとして成長していくものと予想される。
■Key Points
・ネットワーク&セキュリティシステムの構築、保守、運用・監視サービスと、医療、CRM分野等の業務特化型ソリューションサービスに強みを持つIT企業
・旺盛なネットワークセキュリティ対策需要と新製品投入効果等により2018年3月期も連続過去最高業績更新を目指す
・クラウドPACS「NOBORI」は今後、高収益事業に成長する見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
テクマトリックス (T:3762)は、ニチメン(株)(現・双日 (T:2768))の営業部門の戦略子会社として設立されたニチメンデータシステム株式会社が前身で、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業を展開している。
情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、単なる製品販売にとどまらずシステム構築、保守、運用・監視サービスまで含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供していることが強み。
また、アプリケーション・サービス事業では医療やCRM、インターネットサービス、ソフトウェア品質保証など特定市場及び特定業界に特化したソリューションサービスを展開しており、クラウド型PACS※(医用画像管理システム)では業界最大手、CRMシステムでも業界トップクラスの導入実績を誇る。
※画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication Systems) の略称で、MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡やPET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。
1. 2018年3月期第2四半期累計業績
2018年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比6.1%増の11,028百万円、営業利益が同6.5%減の556百万円となった(会社計画は売上高11,200百万円、営業利益700百万円)。
売上高はネットワーク及びセキュリティ製品の需要が民間、官公庁向けともに旺盛だったこと、アプリケーション・サービス事業も医療分野やソフトウェア品質保証分野が2ケタ増収と好調に推移したことで、半期ベースで過去最高を更新した。
一方、利益面では子会社で事業構造改革を実施したこと、アプリケーション・サービス事業において一部不採算案件が発生したことにより減益となった。
ただ、いずれも一時的なもので、第3四半期以降の業績に対する影響はない。
同要因を除けば、注力しているクラウドサービスが拡大し、受注残高も前年同期末比5.7%増の12,934百万円と積み上がるなど、順調に推移したと言える。
2. 2018年3月期連結業績見通し
2018年3月期の通期連結業績は、売上高が前期比9.1%増の24,000百万円、営業利益が同21.7%増の2,000百万円と期初計画を据え置いている。
第2四半期までの進捗は計画をやや下回るものの、市場環境は引き続き良好で、高水準の受注残高があること、下期は新製品の投入効果も見込まれることから、第3四半期以降の挽回は可能と見られる。
情報基盤事業では、2017年10月に文部科学省から発表された「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」が求めるセキュリティ強化に対応したファイル無害化システムを11月より教育委員会向けに販売開始した。
同事業では、引き続きセキュリティ関連製品の好調が続く見通し。
アプリケーション・サービス事業では、クラウドPACS「NOBORI(のぼり)」の契約施設数拡大や自動車関連業界等でのソフトウェアテストツールの需要伸長による収益増、製薬企業向けや地方自治体向けに特化したCRMシステムの新製品投入効果が見込まれる。
3. 次世代型ITサービス企業として更なる成長を目指す
同社は2018年3月期を最終年度とする中期経営計画「TMX3.0」の基本方針として、「従来のIT産業の労働集約的なビジネスから脱却し、自らITサービスを創造し、ITサービスを提供する『次世代のITサービスクリエーター』、『次世代のITサービスプロバイダー』への変貌を継続する」ことを掲げ、事業構造改革を進めると同時に、自社開発したクラウドサービス事業の強化に取り組んできた。
現在検討を進めている次期中期経営計画でも従来の事業戦略を踏襲しつつ、さらに高品質なサービスを開発、提供していくことで、収益性を高めながら業績拡大を目指していくものと予想される。
特に、クラウドPACS「NOBORI」については地域包括ケアシステムにおいて病診連携が強化されるなかで、従来型PACSからのシフトが進むと同時に、PACS導入率が4割程度と言われる小規模病院などへの普及拡大も期待される。
クラウドサービスではネットワークセキュリティ対策が重要となるが、同領域で高い技術力を持つことも同社の強みとなる。
同事業は2017年3月期で黒字化しており、今後契約施設数の拡大に伴って収益性も向上し、業績けん引役の1つとして成長していくものと予想される。
■Key Points
・ネットワーク&セキュリティシステムの構築、保守、運用・監視サービスと、医療、CRM分野等の業務特化型ソリューションサービスに強みを持つIT企業
・旺盛なネットワークセキュリティ対策需要と新製品投入効果等により2018年3月期も連続過去最高業績更新を目指す
・クラウドPACS「NOBORI」は今後、高収益事業に成長する見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)