© Reuters. 新興市場見通し:ソフトバンク上場発表、12月IPOラッシュで換金売り圧力も
先週の新興市場では、日経平均とともにマザーズ指数、日経ジャスダック平均も下落した。
マザーズ指数は先週末に一時、節目の1000pt台を回復したが、今週は短期的な達成感もあって利益確定の売りが先行した。
その後も米国株の急落など金融市場全体の不安定感が意識されてマザーズ指数の戻りは鈍く、25日線の位置する900pt台半ばで一進一退の展開となった。
決算発表シーズンの最終盤で、好業績銘柄を中心に物色が向かった。
なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.6%であったのに対して、マザーズ指数は-4.2%、日経ジャスダック平均は-3.0%だった。
個別では、メルカリ (T:)が週間で9.0%安となる一方、サンバイオ (T:)が同4.4%高、MTG (T:)が同4.6%高とマザーズ時価総額上位は高安まちまちだった。
MTGは前期決算が従来予想を上回る大幅増益となった。
AI(人工知能)開発のPKSHA Technology (T:)も良好な決算内容だったが、材料出尽くし感から同11.2%安と売られた。
売買代金上位ではフィンテック グローバル (T:)の下げが目立ち、業績予想を下方修正したジーニー (T:)が週間のマザーズ下落率トップとなった。
一方、バンク・オブ・イノベージョン (T:)は前期の大幅増益決算が好感されて人気化し、バリューデザイン (T:)やオークファン (T:)が上昇率上位に顔を出した。
ジャスダック主力ではセリア (T:)が同1.4%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:)が同1.8%高と比較的堅調だったが、ワークマン (T:)は利益確定売り優勢で同6.4%安となった。
売買代金上位ではメイコー (T:)が急落。
業績予想を上方修正したものの、市場の期待に届かなかったようだ。
反面、今期大幅増益見通しのレカム (T:)は逆行高。
また、国際チャート (T:)やKYCOMHD (T:)が週間のジャスダック上昇率上位に顔を出した。
今週の新興市場では、引き続きマザーズ指数が上値の重い展開となりそうだ。
1000pt台回復後に利益確定の売りに押されたマザーズ指数は、25日線水準で底堅さも見せている。
しかし、主力株を中心に戻り待ちの売り圧力が強く、上値の重さが意識されるだろう。
外部環境の不透明感も依然強い。
さらに12月が例年どおりIPOラッシュになる見込みで、徐々にブックビルディング(BB)期間に入るため、これに備えた換金売りが個人投資家から出てくることも想定する必要がある。
今週は、11月19日にシェアリングテクノロジー (T:)が決算発表を予定している。
同社は子会社の運営する海外留学サービスが拡大しており、今回の決算内容も注目されそうだ。
また、決算発表が一巡して好業績銘柄を買い直す動きが出てくることも期待される。
既にMTGなどでレーティング引き上げの動きが出てきている。
IPO関連では、11月15日まで霞ヶ関キャピタル (T:)のブックビルディング期間だったが、需要は旺盛だったようだ。
また、先週はソフトバンク {{|0:}}(12月19日、東証1部または2部)など11社の新規上場が発表されており、現時点で12月のIPO件数は計16社となった。
注目のソフトバンクは想定売出価格で計算した上場時時価総額が7兆円、売出額が2兆6000億円を超え、過去最大級のIPOとなる。
仮条件決定は30日、BB期間は12月3日から。
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