■日経平均は一時20900円台に前週の日経平均は小幅ながら上昇した。
週間ベースでは4週連続高、また、1月月間では2カ月ぶりの上昇に転じた。
週初28日の日経平均は反落してスタートした。
政府機関の一部閉鎖が解除されたことなどを好感して25日のNYダウは上昇したものの、円高基調と連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントを控えて利益確定売りが先行した。
翌29日は、米国市場で半導体や建設機械メーカーが相次いで慎重な業績見通しを示し、中国経済減速への警戒感からNYダウが反落し、日経平均も売り先行でスタートした。
しかし、後場に入ると1月16日以来となる日銀の上場投資信託(ETF)買い入れもあり、日経平均は大引けにかけて小幅ながらもプラスに転じた。
30日の日経平均は反落した。
治験結果の不調を発表したマザーズ時価総額トップのサンバイオ (T:4592)がストップ安売り気配となり、マザーズ指数先物でサーキットブレーカーが発動とネガティブ材料が表面化した。
しかし、懸念されていた米アップルの決算を嫌気した売りは限定的だったことから、大きな波乱は回避した。
31日の日経平均は反発し一時は前日比312.88円高に上昇した。
注目のFOMCは、政策金利を据え置くとともに、これまで年内2回を想定していた追加利上げ見通しを「様子見」と実質的に一時停止する方針へと転換した。
これを受けてNYダウは434.90ドル高と急伸し、東京市場も買いが先行した。
ただ、為替が円高に振れ、この日に約400社と決算発表の最初のヤマ場を迎えることもあり、利益確定売りから伸び悩んだ。
31日のNYダウは小幅安に転じたが、1日の日経平均は、首脳会談の開催検討など米中貿易協議が進展との見方が追い風材料として働き、1カ月半ぶりの高値水準となる20900円台前半まで上昇する場面があった。
ただ、1月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が節目の50を2カ月連続で下回り、約3年ぶりの低水準となったことから失速、日本時間1日夜の米1月雇用統計発表を控えていたこともあり上値は抑えられた。
■日経平均は一進一退のなか上値試す今週の日経平均は、先週に続いて一進一退の動きが見込まれる。
しかし、取引時間中で12月19日以来となる21000円台回復に挑戦する可能性もありそうだ。
米連邦準備理事会(FRB)による利上げの一時停止といった政策のハト派への転換や、米中貿易協議の進展期待と、相場を圧迫してきた外部の懸念材料が緩和の方向に動き出している。
また、年始の業績下方修正で相場の撹乱要因となっていた米アップルの決算内容は概ね予想通りと、一部で懸念されていた1-3月期業績の見通しが予想ほど落ち込まなかったことから買い戻されてきた。
国内企業もファナック (T:6954)、TDK (T:6762)、村田製作所 (T:6981)など決算発表後の優良株は戻り基調と、業績発表に対する過度な警戒感は後退しつつある。
6日の午後1時と取引時間中にトヨタ (T:7203)の今3月期第3四半期決算が発表されるが、その株価動向が堅調ならば、改めて相場の基調の強さを確認できることになる。
■需給に変化、流れは個別株物色変化の潮目は需給にも表れている。
1月第4週(21-25日)現在の投資主体別売買動向では、海外投資家が11月第2週以来となる11週ぶりの買い越しとなった。
テクニカル的に見ても、日経平均は5日移動平均線を上回る形でのジリ高を保っており、下方硬直性が高まっている。
全般は積極的な買い上がり材料に欠け、3連休を控えて週後半は見送りムードが強まる可能性もあるが、個別銘柄ベースでは買いを呼び込む地合いが整ってきたと見ることができる。
また、4日から旧正月にあたる「春節」となる中国は7連休がスタート(上海取引所は10日まで、香港取引所は7日まで休場)することから、日経平均はより米国市場の動向と為替動向に影響を受けることにもなりそうだ。
一方、治験の不調が発表され暴落しているマザーズのサンバイオも商いが交錯する場面も出てくる期待がある。
6日からは今年第1号IPOである識学 (T:7049)のブックビルディングが始まる (上場日は22日)など、新興市場にも潮目の変化が到来する。
■景気ウォッチャー調査、米大統領一般教書演説、春節今週の主な国内経済関連スケジュールは、4日に1月マネタリーベース、7日に1月都心オフィス空室率、12月景気動向指数、8日に12月毎月勤労統計調査、1月景気ウォッチャー調査、12月貿易収支、オプションSQが予定されている。
一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、4日に中国春節スタート、米11月製造業受注、5日に米大統領の一般教書演説、米12月貿易収支、米1月ISM非製造業景況指数が予定されている。
このほか、国内外で予定されているイベント・トピックスとしては、4日にドイツ・メルケル首相が訪日(5日まで)、7日はベルリン国際映画祭(17日まで)、8日は北朝鮮の朝鮮人民軍創建日(建軍節)、9日はNTT上場から32年、10日は自民党定期党大会(都内ホテル)がそれぞれ予定されている。