7月29日のアジア時間に米ドルは小動きであった。今週30・31日に行われるFOMCの政策金利決定を控え、市場が慎重になっていると見られる。
経済成長の減速とインフレ率の低下に対する懸念から、10年以上振りとなる利下げが期待されている。
トランプ米大統領は、FRBによる利上げやバランスシート縮小プログラムに対し繰り返し批判を行ってきた。同氏はこれらの政策は成長を損なうとの考えを持っている。
午後12時35分時点で、米ドルインデックスは小動きの97.722で取引されている。
先週、米ドルは過去2ヶ月間の最高値で取引されていた。26日に米国第2四半期GDP成長率が年率2.1%であることが発表され、第1四半期の3.1%から減少したものの、市場予測の1.8%を上回る形となった。
また今後の予定としては、7月の米雇用統計が8月2日に発表される。市場予測では、16万人増で、6月の22万4000人増から減少すると見られている。失業率は3.6%へと微減すると予想されている。
英ポンド/米ドルは0.1%安の1.2370となった。5月以降、英ポンドは米ドルに対し5%以上下げており、合意なき離脱への懸念によるものが大きいと見られている。
イングランド銀行は、8月1日に予定されている会合で金利を維持すると見られている。
米ドル/日本円は小幅安の0.1%安となった。日銀は8月1日に予定される会合において、金利を維持するとみられている。黒田東彦日銀総裁は同日記者会見の開催を予定している。
一方で、米ドル/人民元は0.2%高の6.6911で取引された。米中の代表は7月30日に集まり、2日間に渡って通商協議を行うが、両国とも大きな進展は期待していないとの報道がなされている。劉鶴副首相が協議を主導するとみられている。
6月に日本で開かれたG20サミット期間中に、米中で貿易戦争停止の合意に達してから始めての協議となる。
モルガンスタンレー(NYSE:MS)香港オフィスの中国担当エコノミストのロビン・シン氏はブルームバーグの取材に対し、「重要な争点に関して未だに二国間で大きな隔たりがある。これまでのところ、包括的協議に向かう道筋は明らかになっていない」と述べている。