先週の新興市場では、マザーズ指数は一時900pt台を回復し比較的堅調に推移していたものの、週末を前に値を崩した。
7月30日、31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ、その結果を見極めたいとの思惑から主力大型株の買いが手控えられた局面で、中小型株に物色が向かった。
しかし、米中摩擦激化への懸念から8月2日の日経平均が急反落すると、新興市場でもリスク回避目的の売りがかさんだ。
なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.6%であったのに対して、マザーズ指数は-0.4%、日経ジャスダック平均は-0.9%だった。
個別では、メルカリ (T:4385)が週間で1.8%高、そーせいグループ (T:4565)が同3.9%高となったものの、Sansan (T:4443)が同4.7%安となるなどマザーズ時価総額上位は高安まちまちだった。
弁護士ドットコム (T:6027)は第1四半期決算が2ケタ増収増益で、同9.1%高となった。
売買代金上位では、インパクトHD (T:6067)がインドのパートナー企業を巡る報道を受けて急落。
また、業績下方修正を発表したアジャイルメディア・ネットワーク (T:6573)が週間のマザーズ下落率トップとなった。
一方、ALBERT (T:3906)などは買い優勢で、バンク・オブ・イノベーション (T:4393)が上昇率トップだった。
ジャスダック主力はハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)が同3.5%安となるなど全般軟調だったが、ワークマン (T:7564)は7月既存店売上高も2ケタ増収ペースが続き、同4.2%高となった。
売買代金上位ではUTグループ (T:2146)が週末にかけて下げ足を速め、第2四半期決算発表をきっかけに売られたGMOペパボ (T:3633)が週間のジャスダック下落率トップとなった。
反面、セプテーニ・HD (T:4293)やsantec (T:6777)は決算を評価した買いが入り、上昇率上位に顔を出した。
IPOでは2社が新規上場し、ブシロード (T:7803)は公開価格を1割強上回る初値を付けた。
ツクルバ (T:2978)の初値は公開価格と同じだった。
今週の新興市場は、神経質な展開を強いられそうだ。
トランプ米大統領が対中制裁関税「第4弾」を9月1日に発動すると表明し、円相場が1ドル=106円台半ばに急伸するなど金融市場全体にリスク回避ムードが広がっている。
マザーズ指数は出遅れていただけに下値の堅さも窺われるものの、投資家は積極姿勢に傾きづらいだろう。
こうしたなか、新興市場でも主力企業の決算発表が本格化し、その内容に一喜一憂することになりそうだ。
今週は、8月6日にメイコー (T:6787)、ワークマン、7日にユニバーサルエンターテインメント (T:6425)、シノケングループ (T:8909)、8日にUTグループ、日本マクドナルドHD (T:2702)、メルカリ、9日にミクシィ (T:2121)、PKSHA Technology (T:3993)、JMC (T:5704)、ハーモニック、ナカニシ (T:7716)などが決算発表を予定している。
ワークマンはある程度織り込み済みだろうが、好決算に期待がかかる。
景気敏感セクターは懸念されるほど業績悪化しているか注目される。
IPO関連では、8月9日にステムリム {{|0:}}がマザーズへ新規上場する。
同社が手掛ける「再生誘導医薬」への期待は高い。
しかし当初の想定仮条件2370円~3730円に対し、仮条件が1000円~1700円、公開価格が1000円に決まり、開発型バイオベンチャーの評価の難しさが改めて意識されているようだ。
なお、その後のIPOは現時点で発表されておらず、当面IPO休止期間となる見込み。