5日、金先物は上昇している。米中貿易戦争の激化、また香港における政治問題も安全資産である金の需要を押し上げた。
ニューヨーク商品取引所における12月限金先物は、16時15分時点で0.78%高の1468.85ドルをつけている。
CNBCの報道によれば、CMCマーケッツの主任市場ストラテジスト、マイケル・マッカーシー氏は今回の件について、「経済成長の見通しに対する世界的懸念が高まる中で、金は確実に恩恵を受けている。また各国の中央銀行は現在のハト派姿勢を維持する可能性が高いため、金をはじめとした安全資産の需要が高まっている」とした上で、「米中間の緊張は重要な要素であり、これが今後高まる可能性はとても高い。市場が恐れるような事態が必ずしも起こるとは限らないが、そうした市場心理がリスク資産に対する懸念に繋がってしまっている」と述べた。
先週、トランプ米大統領は中国からの輸入品3000億ドル相当に対し、追加関税を課すことを突如発表した。
中国メディアによれば、中国もこれに対し報復措置をとる姿勢を見せたというものの、その詳細は明らかとなっていない。
米中間の緊張が急速に高まる中で、円などの安全資産が買われている。16時15分時点でドル/円は0.56%安となる一方で、アジア株は総じて下落している。
香港における政治問題もまた、市場心理を悪化させている。香港では林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官に対する大規模ストライキが展開されている。また市民側の要求する逃亡犯条例の完全撤回、デモに対する警察の行動の調査について、林鄭月娥氏はこれを拒否している。