15日のアジア時間、世界の株式市場が下落する中、安全資産需要を取り込み、金先物価格は反発した。
12月限金先物は0.2%高の1530.95ドルとなった。
逆イールドの発生により、リスク資産から安全資産である金に投資家の需要が移ったと見られている。
米30年債利回りが過去最低を記録した後、各国市場は下落した。ドイツ10年国債、フランス10年物国債(OAT)も過去最低を記録し、利回りはマイナスの水準であった。
インベスティングドットコム グローバルマーケットアナリスト ジェシー・コーエンは、「(逆イールドが発生した)過去3回は、米国の景気後退が直ぐに続いた」と述べている。
低金利は、利回りのない金価格にプラスとなる。
一方で、香港の政治的混乱も金価格上昇の原因となった。ブルームバーグによると、逃亡犯条例改正案への数ヶ月に及ぶ抗議活動を受け、中国企業数社は香港での上場を検討し直している。ある企業は香港での5億ドル規模のIPO計画を中止し、少なくともあと2社が同様の動きを検討している。同記事には、取引に関わる2名のシニアバンカーが証言している。
トランプ米大統領は、香港で発生している混乱について習近平国家主席と「個人的なミーティング」を設けたいとツイッターで述べ、通商協議は中国が「香港に関して人道的に取り組んで」から行うべきだと加えた。
またロイターにより、中国は5月より金の輸入を昨年対比300~500トン制限していると業界筋が明らかにしたと報道された。中国は世界の供給量の約3分の1を輸入しており、昨年は1500トンの金を購入していたと、同紙は関税局のデータを引用して報道した。