[東京 11日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の108円付近。米中閣僚級通商協議1日目の交渉は極めて良好だったとのトランプ米大統領の発言や実需のドル買いを受け、ドルは10日ぶり高値となる108.13円まで上昇した。しかし、108円台では実需の売りや戻り売りが優勢となり押し戻された。
米中通商協議については「具体的な合意内容は一つも報道されないが、とりあえず15日の対中追加関税の発動は延期されるとの見方が広がっている」(国内金融機関)という。
市場は足元「ポジティブなニュースには大げさに反応し、ネガティブなニュースには小幅な反応を示すという地合いになっている」(FX会社)といい、ドルの潜在的な上げ余地が広がっている。ただ、直近の高値108.47円は目先の抵抗線になっているとみられる。
市場の楽観を示す指標の一つとして、VIX指数(恐怖指数) (VIX)の低下を指摘する参加者もいる。同指数は前日17.57と前営業日比5.74%低下して前日の取引を終えた。
来週から米企業の決算発表があるが「業績が悪ければ、今月の米追加緩和が一段と確実視され、それほど株価に悪影響が及ばないかもしれない」(前出のFX会社)との意見が聞かれた。
市場では、85%の確率で、米連邦準備理事会(FRB)が今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施するとの見方を織り込んでいる。月初時点では53%だった。
10日に米ワシントンで始まった米中の閣僚級通商交渉は1日目の協議を終え、トランプ大統領は極めて良好な交渉だったと述べ、中国の劉鶴副首相と11日にホワイトハウスで会談することを明らかにした。
両者の会談は米東部時間11日午後2時45分(日本時間12日午前3時45分)の予定。米経済団体幹部らは、米国が来週予定されている関税引き上げの見送りに期待を示した。[nL3N26V3Y2]
前日に急騰した英ポンドは134円前半。海外市場でつけた3週間ぶり高値134円半ばから若干下落した。市場では「これまでも楽観と悲観を繰り返してきた」(邦銀)として、急速に台頭した楽観論への警戒感が根強い。上値ではポンドの戻り売りに動く向きもあるという。
ドル/円 ユーロ/ドル (EUR=) ユーロ/円 (EURJPY=)
午後3時現在 108.00/02 1.1014/18 118.97/01
午前9時現在 107.86/88 1.1008/12 118.76/80
NY午後5時 107.96/99 1.1004/08 118.80/84
(為替マーケットチーム)