香港人権法案が上院に続いて下院で可決された。この法案に対し、中国外務省は露骨な内政干渉であり、法案が可決すれば報復すると警告している。ブルームバーグによるとトランプ大統領はこれに署名する見込みであり、もし署名されれば米中合意への大きな障害になる可能性がある。
このニュースが流れた後、リスクオフの流れが優勢となってアジア株式市場は下落し、ドル円は一時108.28円まで円高が進んだ。しかし中国の劉副首相が米中合意へ慎重ながらも楽観的とスピーチしたと報じられたことで、一気に流れが変わり、午後3時46分時点で108.59円まで戻している。
12月15日には米国が追加関税を予定しており、第1段階の米中合意がまとまらなければ実行される可能性がある。トランプ大統領は自分が望むレベルに中国が達していないと述べ、合意まで距離があることを示唆した。一方で、ホワイトハウスの報道官は「交渉は継続されており、進捗は見られている」と述べている。米中合意は年内ではなく来年になるとの観測も出ており、予断を許さない情勢だ。
GSOMIA(軍事情報包括保護協定)失効が迫る韓国は、米軍の駐留経費負担で協議が決裂したと韓国外務省が発表した。米中協議への懸念の高まりに加え、米国との関係悪化は韓国総合株価指数を押し下げ、1.35%安で終了している。ドルウォンは大きくウォン安が進み、0.65%高で推移している。
FOMC議事録が公表され、「経済に関するデータが悪化し、米経済見通しに関する実質的な再評価をする状況にならない限り、金融政策は維持される」ことでFOMCメンバーの意見が一致していたことがわかった。しかし、経済の下振れリスクが上がっていることは認識されており、利下げをすることもありうると強調している。世界的な経済成長の弱さと貿易をめぐる不確実性の高まりが企業の投資と輸出を圧迫していることも示された。米ドルインデックスは前日比で横ばいの97.815となっている。