19日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は続落、戻り売り圧力は強いがTOPIX優位は継続・ル・円は109円台前半で推移、米長期金利の上昇を意識したドル買い継続・値下がり寄与トップはソフトバンクG (T:9984)、同2位は東エレク (T:8035)■日経平均は続落、戻り売り圧力は強いがTOPIX優位は継続日経平均は続落となり、前日比124.29円安の16602.26円(出来高概算12億9080万株)で前場の取引を終えた。
18日の米国株式市場では、米国政府による経済対策がなかなか成立しないなか、全米50州で新型コロナウイルスへの感染が確認されたことに加え、原油価格の急落を受けて投資家心理が一段と悪化。
主要3指数は揃って大幅安になったが、シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円高の16530円となり、東京時間朝方にかけて欧州中央銀行(ECB)による7500億ユーロのパンデミック対応購入プログラムが発表され、これを好感して東京市場には買いが先行した。
日経平均は朝方に一時400円を超える上げ幅となったが、戻り売り圧力の強さからその後は失速。
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないなか、値がさ株中心に下げ幅を拡大する銘柄が目立ち、日経平均はマイナスに転じる展開となった。
セクターでは、陸運業が5%高になったほか、パルプ・紙、保険業、ゴム製品の上昇が目立った一方で、鉱業やその他金融業、海運業などはさえない。
売買代金上位銘柄では、トヨタ自動車 (T:7203)、任天堂 (T:7974)、ソニー (T:6758)、NTTドコモ (T:9437)、オリエンタルランド (T:4661)、KDDI (T:9433)、三菱UFJ (T:8306)、武田薬 (T:4502)、ソフトバンク (T:9434)、みずほ (T:8411)が上昇。
一方で、ソフトバンクG (T:9984)、ファーストリテ (T:9983)、富士フイルム (T:4901)、キーエンス (T:6861)、東京エレクトロン (T:8035)、オリックス (T:8591)、日本電産 (T:6594)はさえない。
本日の東京市場前場においては、世界的に株安が進むなかでビジョン・ファンドの評価損に対する警戒感や信用リスクの高まりからソフトバンクGが大幅安になるなか、ファーストリテなどの日経平均採用の値がさ株に対しては、225先物安に伴う裁定売りなどの需給面のマイナスインパクトが強まる状況ともなっている。
一方で、足元で堅調な動きをみせる東証株価指数(TOPIX)は本日も前引け時点でプラス圏をキープしており、NT倍率の下げ基調は継続。
年金基金による日本株買いや日本銀行による上場投資信託(ETF)買い入れへの思惑等もあって、NT(日経平均÷TOPIX)ショートの動きが継続しているとみられており、本日は既に前場からNT倍率は急速に下げている。
依然として原油相場の持ち直し期待に乏しいほか、直近で目立つ金や米国債などからキャッシュ化の流れは世界的に収束しておらず、明確な株式市場の底入れは依然として見極めづらい状況に変化はないだろう。
しかし、本日の前引け時点では、日経平均は100円超の下げとなっているものの、物色としては東京市場の半数が値上がりとなっている。
引き続きTOPIX型優位の地合いの継続が見込まれるなか、内需株のほか、短期的には3月末配当の権利取り売買などに投資妙味出てくる可能性はありそうだ。
■ル・円は109円台前半で推移、米長期金利の上昇を意識したドル買い継続19日午前の東京市場でドル・円は、一時109円49銭まで上昇し、一段高。
日経平均は下落しているものの、TOPIXは堅調に推移しており、株価動向を意識したドル・円の取引ではないとの見方も出ている。
欧州中央銀行(ECB)による臨時の資産購入プログラム導入を受けて、リスク選好的な円売りが観測されたが、米長期金利の上昇を意識したドル買いも観測されている。
米国などによる大規模財政支出への期待は持続しており、目先的にリスク回避的なドル売り・円買いは抑制されるとの見方は少なくない。
ここまでの取引レンジはドル・円は107円89銭から109円49銭、ユーロ・円は117円72銭から119円31銭、ユーロ・ドルは1.0899ドルから1.0981ドル。
■後場のチェック銘柄・日医工 (T:4541)、ラクスル (T:4384)など、10銘柄がストップ高※一時ストップ高(気配値)を含みます・値下がり寄与トップはソフトバンクG (T:9984)、同2位は東エレク (T:8035)■経済指標・要人発言【要人発言】・カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁「新型コロナは大恐慌並み、またはそれを上回る可能性」・日銀金融政策決定会合(議事要旨)「大方の委員は物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れに注意が必要な状況は続いており、金融政策は緩和方向を意識して運営していくことが適切との見方を共有「ある委員は、次なる景気後退への備えを考えておくべきであり、政府の財政政策および成長政策との連携強化が一層重要との考え」【経済指標】・日・2月全国消費者物価指数(生鮮品除く):前年比+0.6%(予想:+0.6%、1月:+0.8%)・豪・2月失業率:5.1%(予想:5.3%、1月:5.3%)・豪・2月雇用者数増減:+2.67万人(予想:+0.63万人、1月:+1.35万人)特になし
<HH>