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新興市場見通し:新興株に資金流入、IPO長期休止も直近上場銘柄が賑わい

発行済 2020-04-18 15:27
更新済 2020-04-18 15:41
© Reuters.  新興市場見通し:新興株に資金流入、IPO長期休止も直近上場銘柄が賑わい

先週の新興市場では、マザーズ指数が週を通じ5営業日続伸し、日経ジャスダック平均に至っては4月17日まで10営業日続伸となった。

米国で新型コロナウイルスの感染拡大がピークを迎えつつあるとの見方が強まり、経済活動再開への期待が高まったことで、米株高につれて日経平均が上昇。

新興市場でも投資家心理が改善し、成長期待株を中心に買いが入った。

なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.0%であったのに対して、マザーズ指数は+10.3%、日経ジャスダック平均は+3.4%だった。

マザーズ指数は先週の当欄で予想したとおり戻り歩調が続き、3月上旬の水準を回復している。

個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ (T:4385)が週間で23.5%高、フリー (T:4478)が同19.2%高、Sansan (T:4443)が同23.2%と大きく上昇。

売買代金上位では新型コロナワクチンの開発を進めるアンジェス (T:4563)、直近上場のサイバーセキュリティクラウド (T:4493)や関通 (T:9326)、遠隔医療関連のメドレー (T:4480)などが大幅高となった。

関通は前期の大幅増益決算も評価された。

また、新薬の共同開発契約を締結したメドレックス (T:4586)は株価が約2.1倍となった。

一方、今期業績予想を下方修正したUUUM (T:3990)は軟調で、GMOメディア (T:6180)などが週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。

ジャスダック主力では日本マクドナルドHD (T:2702)が同5.1%高、セリア (T:2782)が同4.2%高となった。

ワークマン (T:7564)も同0.9%高と小幅に上昇し、小売・外食などの内需株が比較的堅調だった。

売買代金上位では出前館 (T:2484)やリプロセル (T:4978)が買い優勢で、食品容器の需要増が期待されている中央化学 (T:7895)などが週間のジャスダック上昇率上位に顔を出した。

反面、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)は同1.6%安と軟調で、業績下方修正のウッドフレンズ (T:8886)が下落率トップとなった。

今週の新興市場では、マザーズ指数は利益確定の売りをこなしながらしっかりした動きが続きそうだ。

米国でもネットフリックスやアマゾン・ドット・コムといったハイテク株が上場来高値を更新している。

新型コロナの影響下でもインターネットサービスなどは需要の増加が見込まれ、低金利環境の長期化観測もこれらグロース(成長)株の後押し材料となる。

日本の新興株でも同様のことが言え、株価変動率(ボラティリティー)の低下に伴い投資資金が戻るなか、物色を集めやすいと考えられる。

今週は、4月21日にマクアケ (T:4479)、24日に沖縄セルラー電話 (T:9436)などが決算発表を予定している。

まだ新興企業の決算発表は多くないが、クラウドファンディング運営のマクアケは高成長が続くか注目されるだろう。

また、主要企業では23日にディスコ (T:6146)やオムロン (T:6645)、24日にアドバンテスト (T:6857)やファナック (T:6954)などの決算発表があり、新興市場でも半導体・FA(ファクトリーオートメーション)関連株が影響を受けそうだ。

IPO関連では、唯一残っていたさくらさくプラスが上場取り止めを発表。

4月6日に上場した松屋アールアンドディ (T:7317)以降の案件が全て中止に追い込まれ、ゴールデンウィークを挟み長期のIPO休止期間に入ることとなった。

サイバーセキュリなどの直近IPO銘柄が賑わっているのはこうした事情も背景にあるとみられる。

なお、年初来のIPO中止件数は18社と、2001年の22社に迫るまで増えている。

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