[ロンドン 6日 ロイター] - 英金融行動監視機構(FCA)は6日、暗号資産のインターネット上の販売促進活動に関し、価値のない「問題あるコンテンツ」の横行に対応するため、監督権限を持つ必要性を訴えた。
英財務省はすでに、一部暗号資産の販売促進に規制が必要か、意見を公募している。
FCAのランデル長官は講演で「投機的なデジタルトークンには価格の裏付けとなる資産や実際のキャッシュフローが存在しない」と述べた。
ランデル長官は、ネット上の金融詐欺の問題には「オンラインプラットフォームによる自主規制と当局の執行体制を含む適切な規制と、消費者への啓発」の2本立てで対応する必要があると指摘。
「消費者と市場を守るための適切な規制と、この分野で有用な新たな発想を促進することとの適正なバランスを見いだすことが非常に重要だ」と強調した。
FCAはすでに、暗号資産交換所バイナンスについて、適切な監督を受けていないとして、英国で規制対象の取引を行うことを禁じ、複数の要件を提示した。バイナンスは、FCAの要件を全面的に順守すると表明している。
ランデル長官は、「FCAは重要な機能の責任の所在や、運営方法といった基礎的な問題を説明しない事業に対し登録や認可を与えるつもりはない」と述べた。
法律事務所CMSの暗号資産専門の弁護士、マシュー・ナイマン氏は、ランデル長官の講演はバランスが取れた内容で、暗号資産を株式よりも厳格に規制するという方向性は示されなかったと分析した。
バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委)は、暗号資産(仮想通貨)を銀行が保有する場合、損失が出た際に全額を補填できる十分な資本を有するべきとして規制案を示している。