10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:中国の不動産リスクへの警戒感がくすぶる
■日産自、22/3 上方修正 営業利益1800億円←1500億円
■前場の注目材料:キヤノン、CMOSセンサーで新工場、300mm対応、平塚に23年
■中国の不動産リスクへの警戒感がくすぶる
10日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。
9日の米国市場はNYダウが112ドル安だった。
10月生産者物価指数(PPI)が引き続き高水準となったため、インフレへの警戒が高まっており、前日にインフラ法案可決で買われたキャタピラーが2%を超える下落となるなど、利益確定の売りが優勢となった。
また、テスラが11%超の下落となったこともセンチメントを冷ます格好となったようだ。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比15円安の29285円。
円相場は1ドル112円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売りが先行する格好となろう。
米国市場の下落警戒から前日に売られた面もあるため、米国市場の下落に対する影響は限られそうである。
ただし、決算発表が本格化しているなかで積極的な売買は手控えられるほか、中国恒大はドル建て債のクーポン約170億円を期日に支払わず、デフォルト宣言されるまでの30日間の猶予期間が10日に終了する。
そのため、中国の不動産リスクへの警戒感がくすぶるなか、短期筋のショートの動きは警戒されよう。
日経平均は前日の下落によって支持線として意識されていた29500円水準を割り込んでいる。
11月1日の上昇でマドを空けているが、このマドの上限まで調整してきており、さらに弱い動きをみせてくるようだと、マド埋めが意識されやすく、節目の29000円のほか、25日、75日線水準までの調整も警戒されてくるだろう。
そのため、上海や香港市場が始まる前場半ば辺りからは神経質な値動きとなるとともに、売り仕掛け的な動きには注意する必要があるだろう。
そのため、先物主導のインデックス売買の影響を受けやすいため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などへは仕掛け的な商いから大きく振らされる可能性はありそうだ。
また、昨日10%を超える上昇を見せていたソフトバンクG (T:9984)の動向にも関心は集まりやすい。
物色の流れとしては決算を手掛かりとした個別対応になりやすく、昨日の引け後の決算では、日産自 (T:7201)辺りが注目されよう。
■日産自、22/3 上方修正 営業利益1800億円←1500億円
日産自 (T:7201)は2022年3月期業績予想の修正を発表。
売上高は9兆7500億円から8兆8000億円に下方修正する一方で、営業利益を1500億円から1800億円に上方修正した。
自動車の需給バランスのタイト化や新車投入によって、販売奨励金の減少が進み収益性が改善。
販売金融事業も想定を上回る業績となっていることなどが主な要因。
プラス要因によって、販売台数の減少による減益を相殺し、更に増益を見込んでいる。
■前場の注目材料
・1ドル112.80-90円
・米原油先物は上昇(84.15、+2.22)
・米長期金利は低下
・大型経済対策への期待
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・キヤノン (T:7751)CMOSセンサーで新工場、300mm対応、平塚に23年
・不二越 (T:6474)最短7秒でコネクター挿入、産ロボ使い自動化
・ソニーG (T:6758)TSMC、熊本に工場、ソニーGと合弁
・三菱電機 (T:6503)パワー半導体設備投資 30%増1300億円に
・野村総研 (T:4307)523億円で米IT企業買収、最大規模
・三井物産 (T:8031)英EVバス攻勢、車両・電池・充電インフラをリース
・ファインシンター (T:5994)モーター事業参入、粉末冶金で小型化
・三菱重 (T:7011)ドイツで発電設備保守支援、欧州初拠点開設
・住友化学 (T:4005)東京本社を移転、共創ラウンジ開設
☆前場のイベントスケジュール
・10:30 中・10月消費者物価指数(前年比予想:+1.4%、9月:+0.7%)
・10:30 中・10月生産者物価指数(前年比予想:+12.3%、9月:+10.7%) <ST>