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■金融引き締め巡る思惑で相場急落
今週の日経平均は週間で602.02円安(-2.14%)と3週連続で大幅に続落。
3週連続で陰線を形成し、主要な移動平均線を大幅に下振れた。
昨年8月第4週以来の安値水準で週を終えた。
東京市場は週後半から波乱含みの展開だった。
前の週末の米国株高を支援要因に週初17日は上昇し、18日も午前は堅調な展開だった。
しかし、昼頃に日銀の金融政策決定会合において政策方針の「現状維持」が伝わると安心感で買いに勢いがつくと思いきや、日経平均は急失速。
時間外取引で米10年物国債利回りが1.8%台半ばまで上昇し、時間外取引のナスダック100先物が大きく下落していたことなどが嫌気されたもよう。
19日の日経平均は790.02円安の27467.23円と急落。
連休明けの米国市場で米長期金利が2年ぶりの水準にまで上昇した警戒感からハイテク・グロース(成長)株を中心に下落。
米連邦準備制度理事会(FRB)の急激な金融引き締めを警戒した売りが続き、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅安となった。
この流れを引き継いで28000円割れで始まった日経平均は終日売り優勢の展開だった。
金融引き締め懸念がくすぶるなか米国市場ではナスダックやSOXの下落が続き、東京市場も20日は売り優勢でスタート。
ただ、この日は自律反発狙いの買いが入ったほか香港ハンセン指数の大幅高が追い風となり、午前中頃から切り返すと買い戻しが続き、日経平均は305.70円高とプラスに転じた。
この流れのまま週末も戻りを試したいところだったが、20日の米国市場では金利低下に伴うハイテク株の買い戻しで中盤まで大幅高で推移していた主要株価指数が、取引終盤にかけて急速に売りに押され結局急落。
この引け味の悪い流れを受け、週末21日の東京市場ではリスク回避の動きが先行し、半導体関連を中心にハイテクに厳しい売りが広がり、日経平均は一時27129.61円と、昨年8月以来の安値を記録。
ただ、朝方の売り一巡後は下げ渋り、27522.26円まで戻して週を終えた。
■FOMC通過後のあく抜けに期待も油断禁物
来週の日経平均は神経質な展開か。
25~26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、ボラティリティーの高い相場展開が続きそうだ。
FRBの急激なタカ派シフトに戸惑う投資家が多いなか、ハイテク・グロース株を中心に日米ともに株式市場の下落基調が強まっている。
FRBによる早期の金融引き締めが景気減速を招くとの見方から相対的に堅調だった景気敏感株にも売りが広がってきている。
信用買い残が依然として記録的な高水準にある日本だけでなく、米国でもマージン・デット(証拠金債務)は記録的な高水準だ。
こうした中で年始から相場が連日で大きく下落していることから個人を中心に投資家の含み損益は相当に悪化していると推察される。
1月5日のFOMC議事録(昨年12月開催分)の公表以降、FRB高官らの相次ぐタカ派発言に加え、今週は有識者らから3月時利上げ幅は0.25%でなく0.5%、利上げは年8回など、金融引き締めを巡ってかなりのタカ派想定の発言が連日で飛び出した。
これだけの材料が出れば、相場にもかなり織り込まれたと思いたいが、前例のないコロナショック下での緩和策に伴う出口戦略も当然前例がないため、事前の織り込みがどの程度進んでいるかは想定しにくい。
また、相場の下落基調が速いため、投資家の含み損益悪化を通じた資金の逆回転に歯止めがかかりにくい様子。
足元はファンダメンタルズに基づいた要因よりもこうした需給要因が占める要素が大きく、FOMCの結果公表まで相場の動きには警戒が必要だろう。
米長期金利が週末にかけて1.76%へと大きく低下してきたことは一つの安心材料で、FOMC後のあく抜け感に期待したいところではあるが、楽観的な見方は危険で、相場の乱高下を覚悟しておいた方がよいだろう。
■FOMC通過後の決算シーズン突入で物色に変化あり?
一方、こうした中、日米ともに企業の決算発表シーズンが徐々に本格化してくる。
日本では来週、日本電産 (T:)、ファナック (T:)、信越化学 (T:)、アドバンテスト (T:)など注目度の高い企業決算が多い。
FOMC前後のため、決算内容に対する反応が読みにくいが、年始からすでに株価が大きく下落しているため、FOMCが無難な通過となれば、好決算は素直に買いに繋がりそうだ。
物色動向では、足元で景気敏感・バリュー(割安)株の買いの勢いが一服してきている。
FOMC通過と同時に決算シーズンを迎えるため、FOMCの結果内容次第では物色に変化が出てくる可能性があろう。
ポジティブなシナリオとしてFOMCの無難通過を想定する場合、決算においては、足元で株価が大きく上げていた景気敏感・バリューの好決算は利食い売りにつながりやすく、大きく売り込まれていたハイテク・グロースの好決算は見直しにつながりやすいと思われる。
■米FOMC、IMF世界経済見通しなど
来週は25日に米FOMC(~26日)、米11月S&Pコアロジック・ケース・シラー・住宅価格指数、米1月消費者信頼感指数、IMF世界経済見通し発表、26日に日銀金融政策決定会合の「主な意見」(1月17~18日開催分)、パウエルFRB議長会見、米12月新築住宅販売、27日に米10-12月期GDP速報値、米12月耐久財受注、28日に米12月個人支出・個人所得などが発表予定。
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