[東京 9日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比684円22銭安の2万6319円34銭と、大幅に反落して取引を終えた。米長期金利の上昇や新型コロナウイルス感染拡大による中国経済への悪影響が警戒され、幅広く売られた。ロシアの戦勝記念日にあたり、プーチン大統領による演説への警戒感も重しになった。
大型連休明けの日本株は軟調な展開となった。前週末の米株安を嫌気する形で安く寄り付いた後も、下げ幅を拡大した。米長期金利の上昇が投資家心理の重しとなり、ハイテク株や高PER(株価収益率)株など幅広く売られた。一部でロックダウン(都市封鎖)が続く中国経済の先行きへの懸念も重しとなった。
この日はロシアで第2次世界大戦の対ナチス・ドイツ勝利を祝う戦勝記念日にあたりプーチン大統領の演説が予定され「ウクライナ情勢を一段と緊迫化させるような発言が警戒される」(国内証券)との声も聞かれた。日経平均は大引けにかけて徐々に下げを拡大し、一時694円34銭安の2万6309円22銭の安値をつけた。
日経平均のPERは12倍台で割安とされるものの、米金利上昇に伴う米株安への警戒感が続いている。市場では「先週の日本株は相対的に堅調だったが、米株安となれば、やはりついていかざるをえない。外部環境が好転していない中で、買い向かう理由は見当たらない」(水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャー)との声が聞かれた。今週は主要企業の決算発表を控えていることも、様子見につながりやすかった。
TOPIXは1.96%安の1878.39ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆9545億5500万円だった。東証33業種のうち値下がりは30業種で、値下がり率上位には鉄鋼や空運業、サービス業などが並んだ。値上がりは電気・ガス業、海運業、石油・石炭製品の3業種だった。
高PERのエムスリーやキーエンスが軟調だったほか、指数寄与度の高いファーストリテイリングやソフトバンクグループがさえなかった。日本郵船も安かった。一方、大規模な自社株買いを発表したヤマダホールディングスはストップ高となった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが211銘柄(11%)、値下がりは1598銘柄(86%)、変わらずは28銘柄(1%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 26319.34 -684.22 26705.32 26,309.22─26,732.61
TOPIX 1878.39 -37.52 1899.84 1,878.31─1,902.72
東証出来高(万株) 126342 東証売買代金(億円) 29545.55