[ロンドン 11日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)の金融監督当局でつくる金融安定理事会(FSB)は11日、暗号資産(仮想通貨)に関する初の国際ルールを提言した。
銀行と同じ活動に従事する暗号資産会社に銀行と同様の資本の確保を義務付けるなど、9つの提言を加盟国に行った。
FSBの議長を務めるクノット・オランダ中銀総裁は今週ワシントンで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議に宛てた書簡で、暗号資産が急落し「冬の時代」を迎えていることについて、構造的な脆弱性が改めて浮き彫りになったと指摘。
暗号資産は金融の安定を脅かすほど大規模ではないが、今後見込まれる回復を管理するルールが必要だと主張した。
FSBは監視の枠組みの導入、暗号資産会社のリスクとデータの管理、経営が悪化した暗号資産会社の円滑な破綻処理計画を提言。暗号資産の規制には国境を越えた一貫性が必要だと主張した。
基本原則として、暗号資産会社、銀行、決済サービス事業者を問わず、同じ活動には同じ規制を適用することを提唱。このため、暗号資産会社が一部の機能を分離する必要が生じる可能性があると指摘した。
今回の提案は12月15日まで意見を公募し、2023年半ばに最終決定する予定。
FSBはステーブルコインの規制指針も見直した。ドルに連動するよう設計されたステーブルコイン「テラ」が5月に急落したことについて、損失リスクの高さや、安定化メカニズムを欠いたステーブルコインの潜在的な脆弱性が浮き彫りになったと指摘。
既存の大半のステーブルコインはFSBの指針を満たしていないとし、ステーブルコインのガバナンスと安定化メカニズムの強化、償還権の明確化・強化に向け指針を修正することを提案した。