[東京 12日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比4円42銭安の2万6396円83銭と、わずかに3日続落した。前日の米国株式市場でS&P総合500種とナスダック総合が下落した流れで売りが先行。その後は、あすの米消費者物価指数(CPI)発表を前に手控えムードとなり、前日終値を挟んで方向感を欠いた。
日経平均は、前日の米国株のさえない動きに加え、イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁が緊急国債買い入れ措置を延長しない方針を示したことも不安感を広げ、売り先行で始まった。
その後は、前日の大幅安からの自律反発を期待した買いが入りプラスに切り返す場面もあった。ただ、勢いは続かず、前日終値を挟んだ値動きへと徐々に移行した。取引時間中の値幅は180円程度だった。
13日に米CPIの発表を控える中、市場では「この数カ月、インフレ指標の発表後に短期的な上下動が大きかったこともあり、手掛けにくさが意識された」(三菱UFJ国際投信の石金淳チーフストラテジスト)という。
欧米の金融引き締めやそれに伴う景気後退への懸念は根強い。半導体関連株が下値模索となったほか、原油安を受けて鉱業や商社株がさえなかった。一方、水際対策の緩和や旅行喚起策などリオープン(経済再開)への期待から、内需株は堅調な銘柄が目立った。
TOPIXは0.12%安の1869.00ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.12%安の961.71ポイントで取引を終了。プライム市場の売買代金は2兆8020億1300万円だった。東証33業種では、値下がりは電気・ガス業や鉱業、パルプ・紙など20業種で、値上がりは空運業や小売業、倉庫・運輸関連業など13業種だった。
東京エレクトロンが年初来安値を更新したほか、ソニーグループは軟調、INPEXもさえなかった。一方、ファーストリテイリングが大幅高となり、日経平均を60円程度押し上げた。ANA HLDGは年初来高値を更新。セブン&アイHLDGも大幅高となった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが775銘柄(42%)、値下がりは981銘柄(53%)、変わらずは80銘柄(4%)だった。