[ワシントン 21日 ロイター] - 米サンフランシスコのベイブリッジで8台が絡む車両多重衝突事故が先月発生し、この事故に関与したテスラの2021年型「モデルS」の運転手が、誤作動した「フルセルフドライビング(FSD)」モードになっていたと警察に証言している。ロイターの要請を受けて21日に公開された警察の報告書で分かった。
事故は感謝祭の日にトレジャーアイランド近くの州間高速道路80号線で発生。2人が軽傷で病院に搬送されるなどした。
電気自動車(EV)メーカーのテスラは1万5000ドルのFSDソフトウエアを、車線変更や駐車を自律的に行えるようにするアドオンとして販売。これはドライバーの介入なしに車線内でハンドル操作、加速、ブレーキを可能にする標準「オートパイロット」機能を補完するものだ。
報告書によると、モデルSの運転手はFSDが正常に機能していなかったと警察に話したが、警察はソフトウエアが作動していたかどうか、運転手の発言が正確かどうかを判断できなかった。同車が危険な車線変更を行い、停止に向けて減速していたため、他の車両が同車に衝突し、連鎖的にさらなる衝突が発生したという。
テスラからは報告書に関してコメントを得られなかった。
同社はFSDでより高度な運転支援機能を利用できるとしているが、「全てのテスラ車は積極的なドライバーの監視が必要であり、自動ではない」と強調している。