[パリ 5日 ロイター] - フランスのコロナ外相は5日、イスラム教予言者ムハンマドの風刺画掲載を巡って2015年1月7日にテロ攻撃を受けた風刺週刊紙シャルリエブドが今週の記念号でイラン最高指導者ハメネイ師を表現する十数枚の漫画を掲載し、フランスの駐テヘラン大使がイラン当局に呼び出されたことを受け、フランスを批判する前に国内の状況を考えるべきだと主張した。フランスのニュース専門テレビ局LCIに語った。
両国関係はここ数カ月、フランスも参加していたイラン核合意再建の協議停滞に加え、イランの反スカーフデモに関連して同国がフランス国籍保持者7人を拘束したことで悪化している。
シャルリエブドは今回、イランの反政府デモを応援する狙いでハメネイ師の漫画を掲載したと明言。イラン外務省は5日、同国にあるフランス研究センターの活動停止とイラン国内でのフランスの文化活動の見直しを発表した。
コロナ氏はイランこそ市民に対する暴力やフランス国籍者拘束などひどい政策を進めていると批判。「イランで起きていることと対照的に、フランスには報道の自由があることを忘れてはならない」とし、フランスには独立した司法制度があり、言論の自由を司っているが、イランはこれをよく分かっていないのは間違いないと主張した。フランスに宗教を冒涜する法律はないとも訴えた。
反スカーフデモを巡っては、イランの宗教指導者らは外国の敵対勢力がイランを不安定化させるため反政府デモを操っていると批判している。