*17:02JST 【金先物・ドバイ原油先物の魅力】~金先物・ドバイ原油先物の投資活用~vol.3
以下は、2023年10月19日にYouTubeチャンネル「FISCO TV」で配信された「金先物・ドバイ原油先物の投資活用(後編)」です。
前編は株式、金、原油相場について、後編は金先物・ドバイ原油先物の投資活用をフィスコ・マーケットレポーター高井ひろえが紹介、4回に分けて配信します。
皆さん、こんにちは。
フィスコ・マーケットレポーターの高井ひろえです。
本動画は、前半の「2023年相場振り返りと金先物・ドバイ原油先物」の続きとなります。
前半部分では、2023 年9月までの相場動向を簡単に振り返りながら、金先物・ドバイ先物の価格推移や取引状況をお話ししました。
後半では、簡単に金・ドバイ原油先物を紹介した後、今後の投資活用を解説していきます。
まず、金について簡単におさらいしていきます。
金は宝飾品としてのイメージが強いですが、世界の金需要の割合をみると、53%が宝飾品として使われています。
次に占める割合が高いのが投資で、3番目に高いのは各国中央銀行による外貨準備高です。
外貨準備高とは、通貨当局が急激な為替相場の変動を抑制するときや、他国に対する外貨建債務の返済が困難になったときなどに、安全資産の金を活用します。
総じて、金は重要度の高い商品となっています。
金は、基本的に外部環境の不透明感が強いときに買われやすい傾向があり、世界経済が景気後退に陥り、企業業績が振るわない時などは株価が低迷しやすいため、金が代替資産として買われやすくなります。
また、インフレが激しい時などは貨幣の価値が下がってしまうため、価値の変わらない金の需要は高まります。
そのほか、地政学リスクの高まりなど、世界情勢の不透明感が強まるような局面でも金価格は強く推移する傾向があります。
続いて、ドバイ原油先物について簡単に説明していきます。
原油価格の動向を知る主要な国際指標はニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の先物市場で取引されるWTIや北海ブレント原油、ドバイ原油で、ドバイ原油は主にアジアで取引され、アジアの原油価格の指標になっています。
日本は輸入する原油の90%超を中東産原油に依存しており、東京商品取引所(TOCOM)はこの中東産原油の基準価格となるドバイ原油を上場しています。
ちなみに、原油価格は世界各国の需給状況のほか、国際的な政治経済情勢、地政学リスク、為替変動など、日々世界で起きている事象に敏感に反応します。
それでは、今後の金価格及びドバイ原油価格はどうなるのでしょうか。
金・ドバイ原油ともに影響を及ぼす各要素の観点から一つずつ見ていきましょう。
まずは、金価格からです。
まず、ロシアとウクライナの戦争は継続しており、地政学リスクは高い状態が続いているといえます。
また、直近では米国は中国への貿易依存度を急速に低下させており、米中デリスキングが進行している状況がうかがえます。
台湾海峡で軍事衝突が発生するリスクもゼロではありません。
こうした地政学リスクの高まりによって、安全資産である金の需要は引き続き底堅く推移すると考えられ、金価格にもポジティブに働くでしょう。
次に、世界の景気動向です。
世界三大経済圏であるアメリカ・中国・欧州の三つから見ていきましょう。
中国は、2023年に入ってゼロコロナ政策を廃止し、経済活動を再開しました。
ただ、経済活動の活性化により景気の回復が期待されていましたが、回復は鈍く、さらには8月には不動産大手「中国恒大集団」が米国で破産申請を行い、不動産市況の悪化が再燃しました。
中国不動産デベロッパー最大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)も深刻な経営危機を明かしており、中国の不動産市場暴落及び中国経済の先行きを悲観する声が広がっています。
欧州は、物価高の影響継続や利上げ効果の浸透で、景気の下押し圧力が強まっています。
ユーロ圏の8月の製造業PMIは43.7と異例の低水準で推移する中、サービス業PMIも48.3へと急低下し2023年入り後で初めて好不況の分岐点である50を割りこみました。
製造業PMIは欧州債務問題の最悪期よりも低水準にあり、それがサービス業を蝕む構図です。
また、アメリカでは、インフレは鈍化してきましたが、直近では原油高の上昇に懸念が広がっています。
米連邦準備制度理事会(FRB)は高水準の金利を維持する可能性があり、来年にかけて景気減速になる可能性はあります。
中国欧州のように、米国の先行き不透明感は、安全資産である金価格にプラスに作用すると考えられます。
※原稿作成:フィスコアナリスト山本 泰三
-【金先物・ドバイ原油先物の魅力】~金先物・ドバイ原油先物の投資活用~vol.4に続く-
前編は株式、金、原油相場について、後編は金先物・ドバイ原油先物の投資活用をフィスコ・マーケットレポーター高井ひろえが紹介、4回に分けて配信します。
皆さん、こんにちは。
フィスコ・マーケットレポーターの高井ひろえです。
本動画は、前半の「2023年相場振り返りと金先物・ドバイ原油先物」の続きとなります。
前半部分では、2023 年9月までの相場動向を簡単に振り返りながら、金先物・ドバイ先物の価格推移や取引状況をお話ししました。
後半では、簡単に金・ドバイ原油先物を紹介した後、今後の投資活用を解説していきます。
まず、金について簡単におさらいしていきます。
金は宝飾品としてのイメージが強いですが、世界の金需要の割合をみると、53%が宝飾品として使われています。
次に占める割合が高いのが投資で、3番目に高いのは各国中央銀行による外貨準備高です。
外貨準備高とは、通貨当局が急激な為替相場の変動を抑制するときや、他国に対する外貨建債務の返済が困難になったときなどに、安全資産の金を活用します。
総じて、金は重要度の高い商品となっています。
金は、基本的に外部環境の不透明感が強いときに買われやすい傾向があり、世界経済が景気後退に陥り、企業業績が振るわない時などは株価が低迷しやすいため、金が代替資産として買われやすくなります。
また、インフレが激しい時などは貨幣の価値が下がってしまうため、価値の変わらない金の需要は高まります。
そのほか、地政学リスクの高まりなど、世界情勢の不透明感が強まるような局面でも金価格は強く推移する傾向があります。
続いて、ドバイ原油先物について簡単に説明していきます。
原油価格の動向を知る主要な国際指標はニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の先物市場で取引されるWTIや北海ブレント原油、ドバイ原油で、ドバイ原油は主にアジアで取引され、アジアの原油価格の指標になっています。
日本は輸入する原油の90%超を中東産原油に依存しており、東京商品取引所(TOCOM)はこの中東産原油の基準価格となるドバイ原油を上場しています。
ちなみに、原油価格は世界各国の需給状況のほか、国際的な政治経済情勢、地政学リスク、為替変動など、日々世界で起きている事象に敏感に反応します。
それでは、今後の金価格及びドバイ原油価格はどうなるのでしょうか。
金・ドバイ原油ともに影響を及ぼす各要素の観点から一つずつ見ていきましょう。
まずは、金価格からです。
まず、ロシアとウクライナの戦争は継続しており、地政学リスクは高い状態が続いているといえます。
また、直近では米国は中国への貿易依存度を急速に低下させており、米中デリスキングが進行している状況がうかがえます。
台湾海峡で軍事衝突が発生するリスクもゼロではありません。
こうした地政学リスクの高まりによって、安全資産である金の需要は引き続き底堅く推移すると考えられ、金価格にもポジティブに働くでしょう。
次に、世界の景気動向です。
世界三大経済圏であるアメリカ・中国・欧州の三つから見ていきましょう。
中国は、2023年に入ってゼロコロナ政策を廃止し、経済活動を再開しました。
ただ、経済活動の活性化により景気の回復が期待されていましたが、回復は鈍く、さらには8月には不動産大手「中国恒大集団」が米国で破産申請を行い、不動産市況の悪化が再燃しました。
中国不動産デベロッパー最大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)も深刻な経営危機を明かしており、中国の不動産市場暴落及び中国経済の先行きを悲観する声が広がっています。
欧州は、物価高の影響継続や利上げ効果の浸透で、景気の下押し圧力が強まっています。
ユーロ圏の8月の製造業PMIは43.7と異例の低水準で推移する中、サービス業PMIも48.3へと急低下し2023年入り後で初めて好不況の分岐点である50を割りこみました。
製造業PMIは欧州債務問題の最悪期よりも低水準にあり、それがサービス業を蝕む構図です。
また、アメリカでは、インフレは鈍化してきましたが、直近では原油高の上昇に懸念が広がっています。
米連邦準備制度理事会(FRB)は高水準の金利を維持する可能性があり、来年にかけて景気減速になる可能性はあります。
中国欧州のように、米国の先行き不透明感は、安全資産である金価格にプラスに作用すると考えられます。
※原稿作成:フィスコアナリスト山本 泰三
-【金先物・ドバイ原油先物の魅力】~金先物・ドバイ原油先物の投資活用~vol.4に続く-