[ニューヨーク/ロンドン 20日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが一時、日本当局による「介入ライン」として意識される150円台に乗せた。ただその後は押し戻された。
CIBCキャピタル・マーケッツのG10通貨戦略責任者ジェレミー・ストレッチ氏は、市場が1ドル=150円を超える水準について「明らかに不確実性の潜在的な前兆であると強く意識している」と述べた。
終盤の取引ではドル/円は0.11%高の149.85円。
フォレックス・ライブのチーフ為替アナリスト、アダム・バトン氏は「日本当局による介入の脅威がなければ、ドルは一段高となっていただろう」と指摘。「債券と株式の動向を踏まえると、ドルは今週よりもさらに上昇するはずで、それは時間の問題だろう」という見方を示した。
INGのアナリスト、フランチェスコ・ペソーレディ氏も「ドルの上振れリスクは依然優勢」とした。
主要通貨に対するドル指数は0.06%安の106.14。
ユーロ/ドルは0.04%高の1.0593ドル。
CMEのフェド・ウォッチによると、金融市場が見込む12月の米利上げ確率は24%、11月連邦公開市場委員会(FOMC)では据え置きになるという予想が優勢。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が19日の講演で政策決定は「慎重に進める」と発言したことに反応している。FRB議長の講演前は、12月の利上げ予想は39%だった。利下げ開始時期については6月が見込まれている。
市場参加者はまた、イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの衝突がエスカレートする兆候を注視している。
資産の投資先とされるスイスフランは一時、対ドルで約6週間ぶり高値を付けたが、その後は失速し、終盤は1ドル=0.8917フラン。
スイスフランは対ユーロでも一時、フランの対ユーロ上限を撤廃した2015年以来の高値を更新した。
ポンドは対ユーロで5カ月ぶり安値に沈んだ。一連の低調な英指標が嫌気された。
ポンド/ドルはは0.14%高の 1.2158ドルだった。