[ニューヨーク 24日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドル指数が上昇した。一連の経済指標によって英国や欧州連合(EU)に対する米経済の力強さが浮き彫りになったことを受けた。
米S&Pグローバルが24日発表した10月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.0と7月以来、3カ月ぶりの高水準となった。9月確定値は50.2だった。
ドル指数は0.6%高の106.27。序盤には105.35と1カ月ぶりの安値まで下落していた。
マネックスUSAのFXトレーダー、ヘレン・ギブン氏は「特に今朝発表された英国やユーロ圏のPMIと米国のPMIを比較した場合、全体像は依然として明らかに変化していない」と指摘。米国では製造業、サービス業、総合の3つのPMI全てが景気拡大と縮小の節目である50を上回ったのに対し、英国とユーロ圏はいずれも50を下回ったとした。
S&Pグローバルがまとめた10月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は予想外に低下し、リセッション(景気後退)に陥る恐れがあることが示された。
ユーロ/ドルは0.8%安の1.0588ドル。
S&Pグローバルがまとめた10月のドイツのHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は45.8と、好不況の分かれ目となる50を4カ月連続で下回った。今回はサービス業も落ち込んだ。
連邦準備理事会(FRB)は来週1日、イングランド銀行(英中央銀行)は来週2日に金融政策を発表する。今週26日には欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されており、市場では金利据え置きが予想されている。
キャピタル・エコノミクスのグローバルエコノミスト、アリアン・カーティス氏はメモで「10月のPMI速報値は、特に欧州において、第4・四半期の経済活動が弱いスタートを切ったことを示唆している」と指摘。「経済活動の低迷が労働市場やインフレから勢いを奪っていることから、われわれはFRB、ECB、英中銀が利上げを終了したとの見方を強めている」と述べた。
ドル/円は0.1%高の149.91円。日本当局による介入が引き続き警戒されている。
ポンド/ドルは0.72%安の1.2161ドル。S&Pグローバル/CIPSが24日発表した英国の10月のサービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.2で、9月の49.3から低下し、1月以降で最低となった。
暗号資産(仮想通貨)では、ビットコインが2.4%高の3万3850ドルとなった。