[9日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀が9日発表した8月の月次調査から、米消費者のインフレ期待が低下し、職業の安定を巡り悲観的な見方が強まっていることが明らかになった。米連邦準備理事会(FRB)の追加利下げを正当化する可能性がある。
調査は約1300人の世帯主を対象に実施。1年先のインフレ期待は0.2ポイント低下の2.4%と、調査が始まった2013年以降で最低の水準を記録した。3年先のインフレ期待は0.1%ポイント低下し、2.5%となった。
雇用の安定を巡る懸念も高まっており、1年後の失業率が現在より上昇している確率の予想は38.3%と、前月から2.2%ポイント上昇し、12カ月平均の36.6%を上回った。
来年にかけて給与上昇ペースが鈍化するとの見方も高まった。賃金上昇率見通しの中央値は0.1%ポイント低下の2.3%と、12カ月平均の2.5%を下回った。
また、来年にかけて職を失うリスクがあるとの回答は14.2%に増加。増加は2カ月連続となった。
一方、新しい就職先を見つける確率予想は60%と、前月の59.8%から上昇した。
市場では、17─18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが実施されるとの見方が大勢だが、FRB当局者の間ではどの程度の刺激策が必要かを巡り見解が分かれている。
最近の米経済指標では、米中貿易摩擦の影響に対する消費者の懸念拡大や民間投資の減速、製造業部門の景況感悪化などが示されている。
こうした懸念材料を背景に、連銀調査では米株価が1年後に上昇しているとの回答は約38%と、2016年10月以来の水準に低下した。
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