日経平均<.N225>
前場終値 8625.40 +15.45
寄り付き 8607.92
安値/高値 8607.91─8665.54
東証出来高(万株) 77322
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[東京 28日 ロイター] 前場の東京株式市場で日経平均は続伸。前日の欧米株高
や為替の落ち着きに伴い、日経平均は9月中間期末の配当落ち分(約67円)を埋める堅
調なスタートとなった。不動産、非鉄、建設など内需系がしっかり。ただ序盤はしっかり
していたトヨタ自動車<7203.T>やキヤノン<7751.T>がマイナスに転じるなど、先行き不透
明感から相場全体の上値は重い。
東証1部騰落数は、値上がり1230銘柄に対し値下がり337銘柄、変わらずが85
銘柄だった。東証1部売買代金は5089億円。
前日の米国株式市場は3日続伸。ユーロ圏当局者による、欧州金融安定ファシリティー
(EFSF)の拡充に向けた動きを受けて市場に楽観的な見方が広がった。ただギリシャ
への次回融資の条件をめぐり、ユーロ圏諸国の間に見解の相違が出始めていることを伝え
るフィナンシャル・タイムズ(FT)紙の報道を受け、米国株は上げ幅を縮小するなど見
極め要因も多い。
東京市場は、為替が比較的落ち着くなかで堅調な動きとなった。週初は金相場までもが
急落するなど、換金売りの動きが出ていたが、「リスクオフの動きは短期的にはピークア
ウトしたとみている。為替が比較的落ち着くなかで、輸出関連が買い直されているほか、
復興関連銘柄にも動きがみられた」(みずほ証券・エクイティストラテジストの瀬川剛氏
)との声が出ていた。
買い一巡後は上値が重く「1ドル80円割れの円高が3カ月も続くと、企業業績予想の
下方修正は意識せざるを得ない」(カブドットコム証券チーフストラテジストの河合達憲
氏)との指摘があった。今晩にはフィンランドでEFSFの機能拡充案の採決が予定され
るなど、欧州債務問題に対する不透明感は残り、主力株への積極的な買いは見送られやす
いという。
個別銘柄では、日本たばこ産業(JT)<2914.T>に注目が集まった。経営自由度の上昇
や自社株買いへの期待を背景に買いが先行したが、その後は全株売却までのハードルが意
識され、マイナス圏に沈んだ。政府与党は27日夜、東日本大震災からの復興へ向けた本
格予算となる2011年度第3次補正予算の総額を12兆円程度とすることを決定。JT
保有株をすべて放出することなどで、従来は5兆円程度としていた税外収入を7兆円へ増
額することを決めた。
3次補正予算に関する与野党協議に関しては「復興対策を盛り込んだ3次補正予算の決
定から実行に向けていち早く動き出すことが肝心だ。そうすれば株式市場にも、ポジティ
ブに作用するとみている」(マネックス証券 チーフ・ストラテジストの広木隆氏)との
指摘が出ていた。
(ロイターニュース 寺脇麻理)
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