前日の海外市場では、国際通貨基金(IMF)による成長見通しの引き下げで、世界的な景気減速を懸念した円買いが強まり、111円台を割り込む場面もあった。
また、欧米の関税をめぐる対立の再燃やこの日発表されたJOLT求人件数の悪化を受けた米国の腰折れへの警戒もあり、ドル売り・円買いの流れに。
ただ、ドルは買戻しもみられ、NY市場では111円に戻して取引を終えている。
IMFは9日、今年1月に下方修正した世界経済見通しをさらに低下の方向で修正を加え、2019年の成長率予測を+3.3%に引き下げた。
欧米や日本にもその影響を予測。
そのタイミングで、トランプ米大統領は欧州連合(EU)の航空機メーカーへの補助金をめぐりEU製品への関税を検討していることを明らかにした。
EU側も反発しており、双方による通商摩擦が今後激化する見通し。
そうした警戒感から前日の米国株は全面安となり、この後は日本株安を受けた円買いが先行し、ドルに下押し圧力がかかりやすい地合いとなりそうだ。
ただ、110円台は押し目買いが観測され、極端な下げは回避される見通し。
また、今晩の欧州中銀(ECB)理事会や米消費者物価指数など重要イベントを前に様子見ムードが広がりやすく、ドル売り一巡後は動意の薄い展開になるだろう。