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欧米為替見通し:ドル・円は上値重い、トランプ政権リスクを意識

発行済 2017-01-11 17:25
更新済 2017-01-11 17:33
欧米為替見通し:ドル・円は上値重い、トランプ政権リスクを意識

今日の欧米外為市場では、ドル・円は上値の重い展開を想定したい。
トランプ次期米大統領の記者会見で景気対策への期待が高まれば株高を通じてドル買いに振れる見通し。
ただ、外交や通商政策については不透明な部分が残され、発言の内容によってはリスク回避の動きに転じる展開も想定しておきたい。


日本時間12日1時から予定されているトランプ次期米大統領の記者会見では、経済成長や雇用の創出に重点を置いた景気対策への言及が注目される。
潜在的にはドル高にドライブがかかりやすいため、短期的にドル買いが強まる見通し。
ただ、トランプ氏は大統領選ではドル高批判を展開してきたため、自身の政策との整合性が問われることになるだろう。
足元では連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ加速観測を背景としたドル高基調が続くなか、否定的な見解が示されればドルを下押しする展開もありうる。
ある市場筋は今晩の記者会見を受けたドル・円のレンジについて115円-117円と想定している。


トランプ氏は就任初日に、経済成長に悪影響を与えたとみるオバマ政権の政策の多くを廃止する方針と伝えられる。
それに対し20日に任期を終えるオバマ大統領は、地球温暖化対策の必要性を強く訴える論文を科学雑誌に発表し、温暖化懐疑派を環境保護局(EPA)長官に起用するトランプ氏をけん制した。
大統領の交代は通常なら表向き友好的なムードが演出されるが、新旧大統領の政策的な対立が鮮明になっていることで「国の分断に乗じて、今後テロなど不測の事態が起こらないとも限らない」と先の市場筋は警戒感を示す。
新政権の外交や通商政策も不透明で、ロシアや中国と敵対関係が強まるとの懸念が広がればドル売りに振れる可能性もあろう。
(吉池 威)


【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・11月鉱工業生産(前月比予想:+1.0%、10月:-1.3%)
・18:30 英・11月製造業生産(前月比予想:+0.5%、10月:-0.9%)
・18:30 英・11月貿易収支(予想:-111.5億ポンド、10月:-97.11億ポンド)
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+0.1%)
・01:00 トランプ次期米大統領の記者会見予定
・03:00 米財務省10年債入札(200億ドル)
・03:20 ダドリーNY連銀総裁講演(銀行シンポジウム)


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